2016.02.26 Friday
アーノンクールのブルックナー交響曲第5番と校訂報告
ニコラウス・アーノンクールがウィーン・フィルを振って2004年に録音したブルックナーの交響曲第5番のCDを買ったのは数年前で、その時に一度聞いていたはずですが、最近改めて聞き直してみたところショッキングな事実に気づきました。学者肌のアーノンクールのことですから当然原典版(この曲の場合ノヴァーク版はハース版の誤植を訂正した程度で事実上同一なので、両方まとめて「原典版」とします)を使用しているだろうのに、驚いたことに第二楽章の終わり方が原典版ではなく改訂版の終わり方になっている!うーむ、買った時にちゃんと聞いていればその場ですぐ気づいたはずだが・・・どうやらいい加減に聞いていたようです。いけませんね!
<おそらく日本語解説のついた国内盤もあるのでしょうが、私のは価格重視の輸入盤(こっちの方が安かった)。82876 60749 2 (RCA/BMG)。2枚組ですが2枚目はリハーサルを収録しています。お客が入っていないムジークフェライン・ザールでのリハーサルは残響が長くて、ちょっと教会みたいな音がしています。この響き、いいなぁ。本番の方はライブ(ただし編集してある)でお客が普通に入っているので、ここまでの残響はない。>
<左の譜例は原典版の第二楽章の終わり。赤枠で囲ったのは上からフルート、オーボエ、クラリネット。右の譜例は同じ箇所の改訂版のフルート、オーボエ、クラリネット。楽器が3種類なのに譜面が4段になっているのはフルートで上2段を使っているからです。耳で聞いて両者の違いが一番わかりやすいのは一番上の段のフルートで、左の原典版では |たーらら|たらら(休)|(全休)|なのに、右の改訂版では |たーらら」たーーら|らーーー|と吹く長さが伸びてるし音の高さも違います。アーノンクールのCDのこの部分はほぼ右側でした。>
<おそらく日本語解説のついた国内盤もあるのでしょうが、私のは価格重視の輸入盤(こっちの方が安かった)。82876 60749 2 (RCA/BMG)。2枚組ですが2枚目はリハーサルを収録しています。お客が入っていないムジークフェライン・ザールでのリハーサルは残響が長くて、ちょっと教会みたいな音がしています。この響き、いいなぁ。本番の方はライブ(ただし編集してある)でお客が普通に入っているので、ここまでの残響はない。>
<左の譜例は原典版の第二楽章の終わり。赤枠で囲ったのは上からフルート、オーボエ、クラリネット。右の譜例は同じ箇所の改訂版のフルート、オーボエ、クラリネット。楽器が3種類なのに譜面が4段になっているのはフルートで上2段を使っているからです。耳で聞いて両者の違いが一番わかりやすいのは一番上の段のフルートで、左の原典版では |たーらら|たらら(休)|(全休)|なのに、右の改訂版では |たーらら」たーーら|らーーー|と吹く長さが伸びてるし音の高さも違います。アーノンクールのCDのこの部分はほぼ右側でした。>