最近読んだ本:『柳田國男全集 30』(1991 ちくま文庫)
 宇沢弘文『経済学の考え方』の読後感に「この際読んでみますか、官僚・柳田國男……」と書いたので、読みました。農商務省の官僚時代の著作は、ちくま文庫版『柳田國男全集』では第29巻と第30巻に収められています。著作時期の早いものは第30巻の方に収められているので、まず第30巻を通読しました。目次は次のとおり。ちなみに( )内は著作順をたどるために私が補いました。

最新産業組合通解(明治35(1902)刊)
日本産銅史略(明治36(1903)〜明治37(1904)掲載)
農政学(明治37(1904)〜明治40(1907)の講義録)
農業政策学(明治35(1902)講義録)
農業政策(明治40(1907)講義録)

 柳田國男は明治33(1900)年に東京帝国大学法科大学政治科を卒業して農商務省農務局農政課に入り、明治35(1902)年に法制局参事官、明治41(1908)年に宮内書記官、明治43(1910)年に内閣書記官記録課長、大正3(1914)年に貴族院書記官長を務め、大正8(1919)年に辞任するまで19年間にわたって奉職し、その間に早稲田大学、中央大学、専修学校で農政学の講義を行うとともに、全国の農山村を歩いて回ります。そうした活動の中から日本民俗学への志向も芽生えてくるわけですが、今回読んだのは柳田のこの時期のいわば「本業」であった農政官僚としての著述です。
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| 本のこと | 22:35 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
自分が出た演奏会:土浦交響楽団 第69回定期演奏会
 大幅に遅れている昨年出演した演奏会のまとめです。自分とこのオケの演奏会で、今回の目玉は、やっぱり伊福部昭でしたかね。

土浦交響楽団 第69回定期演奏会
日時:2014年12月14日(日) 14:00開演
場所:土浦市民会館 大ホール(茨城県土浦市)
曲目:「牧神の午後」への前奏曲(ドビュッシー)
   交響譚詩(伊福部昭)
   交響曲第4番(ブラームス)
     アンコール曲
   ハンガリー舞曲第4番(ブラームス)
指揮:佐藤 迪
 
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| 自分が出演した演奏会 | 16:27 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
最近読んだ本:『ナチ・ドイツと言語 ヒトラー演説から民衆の悪夢まで』(宮田光雄 2002 岩波新書新赤版792)
 実は本書を読んだのは昨年の10月か11月頃かと思います(だから厳密には「最近」読んだ本ではない)。以前買って積ん読になっていたものの一冊です。この題名からして私はどちらかというと言語学寄りの、たとえばヒトラーの演説などでどういう言葉がどのような含意を持ってどのように使われていたのかを分析したような内容のものを想像していましたが、実際はナチスのプロパガンダとそれに対する民衆の対応を、言葉という切り口で説明した、歴史(精神史)寄りの本でした。そのことは次に掲げる目次からもうかがえるところです。

はじめに

   ■指導者■
I   独裁者の言語―ヒトラーの政治宗教
   1 初めに言葉あり
   2 ヒトラーの《摂理》信仰
   3 ヒトラーの《黙示録》

   ■メディア 1■
II   映像の言語―党大会映画『意志の勝利』
   1 ナチスの政治的祭儀
   2 レニ・リーフェンシュタールの『意志の勝利』
   3 政治の美学化と罪責

   ■メディア 2■
III  教育の言語―ヒトラーの歴史教科書
   1 ヴァイマル時代の歴史教科書
   2 ヒトラーの歴史教科書
   3 ナチ統治下の抵抗教育

   ■民衆 1■
IV   地下の言語―ジョークの中のヒトラー
   1 笑いの政治学
   2 ナチ・ドイツの政治的ジョーク
   3 ジョークの政治的役割

   ■民衆 2■
V    深層の言語
   1 夢の社会心理学
   2 悪夢の中のナチ体制
   3 悪夢と罪責告白

あとがき

 以上のように、本書の前半は I でヒトラー演説、II でプロパガンダ映画、III で教科書という3種類の言語によるナチ側からの思想統制の働きかけを、そして後半の IV ではジョーク、V では睡眠中に見られた夢を通して、民衆側の受け止め・反応を描いています。
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| 本のこと | 09:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ザ・シンフォニカ 第57回定期演奏会
 よく晴れて強い北風が吹き荒れた日曜日の午後、今年初めて演奏会を聴きに行きました。ネットがパソコン通信と言われていた頃にニフティサーブのクラシック音楽フォーラム(FCLA)で知り合い、その後土浦交響楽団のトラさんとしてもずっとお世話になっている「もちゃ」さんが入っているオーケストラの演奏会です。ずっと前から名前は聞いていましたが、演奏を聞くのは今回が初めてです。

ザ・シンフォニカ 第57回定期演奏会
日時:2015年2月15日(日)13:30開演
場所:すみだトリフォニーホール 大ホール(東京都墨田区)
曲目:管弦楽のための映像より「イベリア」(ドビュッシー)
   交響曲第8番(ブルックナー)
指揮:高関 健

 ブルックナーは「1890年稿 ハース版」とあります。今どき珍しい、と思うのは私だけでしょうか。ハース版は国際ブルックナー協会(一時期ドイツ・ブルックナー協会と改称していた)が1930年代に編纂・出版を進めていた原典版全集の通称ですが、ドイツの敗戦により中断。国際ブルックナー協会はその後ノヴァーク版と通称される第二次全集版を新たにスタートさせたため、ハース版(第一次全集版)は絶版となり現在は流通していません。従って現在では現役版のノヴァーク版が使われるのが一般的なのです。
 しかしハース版とノヴァーク版は編集方針や使用した資料が事なるため、曲によっては内容にかなりの違いがあります。特にこの第8番はハース版の方がノヴァーク版よりも第三楽章で10小節、第四楽章で38小節長く、つまりハース版でしか聞けない部分があるのです。このハース版独自の部分の原典版としての正統性やローベルト・ハースとナチスとの関係、レオポルト・ノヴァークの編集方針(というか、編集姿勢・態度?)等々について様々なこだわりをお持ちの方もいらっしゃいますが、去る者追わず来る者拒まずケセラセラな私は、ハース版がナマで聞けるだけでただただ有難い。多分1983年9月に東京カテドラルで聴いた朝比奈隆指揮の大阪フィル以来です。ちなみにこの演奏はライブ盤として発売されました。勿論持ってます!

 ・・・話が演奏会から離れてしまいました(汗)
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| オーケストラ活動と音楽のこと | 23:39 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
自分が出た演奏会:茨城大学管弦楽団 第40回定期演奏会
 すごーく前のことになってしまいましたが、昨年の12月13日(土)に茨城大学管弦楽団の第40回定期演奏会に参加しました。時間が経ってしまったし、演奏会のプログラムをもらい忘れてしまって思い出す手がかりがないので演奏会の細部が怪しくなっていますが、自分用の記録も兼ねてとりあえずまとめておきます。
<プログラムをもらい忘れてしまったので、今回の写真は演奏会用のチラシです。>

茨城大学管弦楽団 第40回定期演奏会
日時:2014年12月13日(土) 14:00開演
場所:茨城県立県民文化センター 大ホール(茨城県水戸市)
曲目:喜歌劇「軽騎兵」序曲(スッペ)
   ヴァイオリン協奏曲(メンデルスゾーン)
   交響曲第5番(チャイコフスキー)
     アンコール曲
   バレエ「眠りの森の美女」より ワルツ(チャイコフスキー)
独奏:会田莉凡(Vn)
指揮:佐々木新平
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| 自分が出演した演奏会 | 09:12 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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