2013.07.26 Friday
ゴロヴァノフのチャイコフスキー「1812年」
土浦交響楽団の次回の定期演奏会で、チャイコフスキーの大序曲「1812年」をやることになりました。ところで私の持っている「1812年」の音源は、以前紹介したゴロヴァノフ指揮の「悲愴」のカップリングで入っているものだけで、しかもそれは旧・ソヴィエト社会主義連邦共和国時代に連邦内だけで演奏されていたという改訂版、いわゆるシェバーリン版の「1812年」を聞くために買ったものなので、シェバーリン版でない普通の「1812年」のCDは持ってないのです。一応どんな曲か知ってはいるけれど、それほど聞きたい曲ではないのですね。
ゴロヴァノフ盤の「1812年」は前述のとおりシェバーリン版による演奏で、ロシアがフランスに勝利を収めた場面にチャイコフスキーが挿入したロシア帝国国歌の旋律が別の旋律(グリンカの歌劇「イワン・スサーニン」からの旋律だそうです)に差し替えられています。さらにゴロヴァノフのテンポやダイナミクスの設定や変化は実に極端過激で、ほとんどスコアお構いなしの勝手放題だし、そんな指揮についていくオーケストラのアンサンブルも、ライブ録音のせいもあって随所で破綻しており、とても演奏のための参考音源にはなりません。
それでも手元にはこれしかないので何回か繰り返し聞くうちに、その極端過激な勝手放題さにも「ああ、そういうつもりなのか」と何となく共感できるようになってきました。それどころか、もしもゴロヴァノフが、たとえばメンゲルベルクのコンセルトヘボウやトスカニーニのNBC響、ムラヴィンスキーのレニングラード・フィルみたいな、マエストロに絶対服従のヴィルトゥオーゾ・オケを振ったとしたら、ゴロヴァノフの「1812年」は超弩級の大名演と絶賛されていたかも知れないとまで思えるようになったのです。人間の適応力ってすごい!(笑)。
ゴロヴァノフ盤の「1812年」は前述のとおりシェバーリン版による演奏で、ロシアがフランスに勝利を収めた場面にチャイコフスキーが挿入したロシア帝国国歌の旋律が別の旋律(グリンカの歌劇「イワン・スサーニン」からの旋律だそうです)に差し替えられています。さらにゴロヴァノフのテンポやダイナミクスの設定や変化は実に極端過激で、ほとんどスコアお構いなしの勝手放題だし、そんな指揮についていくオーケストラのアンサンブルも、ライブ録音のせいもあって随所で破綻しており、とても演奏のための参考音源にはなりません。
それでも手元にはこれしかないので何回か繰り返し聞くうちに、その極端過激な勝手放題さにも「ああ、そういうつもりなのか」と何となく共感できるようになってきました。それどころか、もしもゴロヴァノフが、たとえばメンゲルベルクのコンセルトヘボウやトスカニーニのNBC響、ムラヴィンスキーのレニングラード・フィルみたいな、マエストロに絶対服従のヴィルトゥオーゾ・オケを振ったとしたら、ゴロヴァノフの「1812年」は超弩級の大名演と絶賛されていたかも知れないとまで思えるようになったのです。人間の適応力ってすごい!(笑)。