東京サロンオーケストラ 本番前の最終練習
第41回チラシ 今週の土曜日に迫った東京サロンオーケストラの演奏会に向けての最終練習を25日(土)・26日(日)で行いました。お手伝いいただくトラさんもほぼそろい、濃い練習になりました。初めて聞えた音もあったなぁ(笑)。

 土曜日は夜の練習で、ドヴォルザークの交響詩「真昼の魔女」とグリーグのピアノ協奏曲。
 ドヴォルザークは「真昼の魔女」をライトモチーフを使って書いており、演奏前にお客様向けにライトモチーフの簡単な説明と何箇所か取り出し演奏をすることにしたので、その取り出し箇所の確認と試奏を行いました。実は今回の演奏会で取り上げるまでその存在すら知らなかった曲でしたが、分析していくといくつものライトモチーフを縦横に駆使し、母親の感情の起伏や心理を、執念深くといっていいほど緻密に描いています。この曲の仕掛けについて語ろうとすれば、間違いなく一時間やそこらはかかります。取り出し演奏を入れながらやれば、ちょうどバーンスタインの Young People's Concert の1回分になるんじゃないだろうか。すごい曲ですよ。
 グリーグの協奏曲は、この日が本番のピアニストとの2回目の合わせでした。1回目はお互いなかなかいい感じでできたのですが、それからしばらく間が空いたせいか、この日はお互いもうひとつしっくり来なくて、私もピアノの走句の後にオーケストラを入れるタイミングがうまく取れなかったりして、不完全燃焼でした。練習が終わってからピアニストと「こういう日があって、明日(日曜日も合わせを予定している)があって、それで本番を迎えるので、前向いて行きましょう」と話しました。ベテランのソリストだったらこちらに合わせて何とでもしてくれるのかも知れませんが、オーケストラとの共演経験があまりない若いピアニストとアマチュアの指揮者だから、お互い一生懸命力を尽くして作り上げていかなければならないし、その過程と緊張感がまた楽しくもあります。気分は「戦友」です。

 翌日曜日は午後から夜にかけて、最後の半日練習。演奏時間を測りながら全曲通し主体で…と思っていましたが、やはり最後となるとこちらも奏者もテンション上がってますから、私からも注文つけるしオケからもここはどうなんだと質問が来るし、どうしても譜面どおりできないのならこう変えて!といったやり取りもありました(お客様には内緒ね ^^;)。ピアノ合わせも昨日よりはうまくいき、これなら本番何とかなりそうだな、という感触は得られました。本番はいい意味での緊張感を持っていけると思います。
 アンコール曲とメインの交響曲もやりました。アンコール曲は秘密ですが(笑)、プログラムの3曲とは何から何まで全然違う曲です。「青い感じで」とお願いしていい感じになりました。
 メインのドヴォルザークの交響曲第7番は、第8番や第9番「新世界より」に比べるとあまり演奏されません。8番・9番は内容が明確で「こうやれば間違いない」という基本線がありますが、この第7番はそこまで内容が明確ではなく、かといって譜面をなぞって音にすればそれで形になるという曲でもなく、しかしたとえばダイナミクスの変化の細部まで彫琢されているところなどを見ると、ドヴォルザークがすごくシリアスに書いた曲であることは間違いありません。私は第四楽章の第二主題の扱いを提示部と再現部で変えることにして、その練習を時間をとってやりました。少なくとも私が聞いた6種類のCD+1種類の実演ではそういう解釈はしていないので、これは私の独自の解釈ということになります。でもドヴォルザークのスコアでも第二主題のダイナミクスや表情に関して、提示部と再現部で異なった指示がされていて、私の解釈はそこにつけこんで(笑)強調しているので、根拠のない思いつきのようなものではありません。ここから曲の終わりまで、自分の中ではあるストーリーがあるのですが、それは交響曲の場合自分だけが持っていればいいもので、誰にも明らかにしていません。

 正直なところ、もっとやっておきたかった、確認しておきたかったという箇所はまだいくつかありますが、ちょっと微妙な問題もあって、このまま本番に持って行くつもりです。予定調和でない、と言えば聞こえはいいが、本番だけが持つ、本番だけに現れる「力」を信じて―。

 二日間の練習のおかげで、今日は声かれてる(笑)。
| オーケストラ活動と音楽のこと | 12:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
東京サロンオーケストラ合宿に参加
 ゴールデンウィークの翌週にあたる5月11日(土)から12日(日)にかけて、東京サロンオーケストラの合宿に参加しました。昨年は土浦交響楽団の合宿と日程がちょうど重なって結局土響の方に行きましたが、今年はサロンオケの合宿が例年より1ヶ月遅くなった上に自分が指揮者なので、これは参加しないわけにはいきません。
 東京サロンオーケストラの合宿は、伝統的に人も楽器(コントラバスや打楽器類の大型楽器を含む;今回は手締めのティンパニ2面持参)もみんな一緒に観光バスで、ビールとか飲みたい人はもう行きから飲んじゃう(トイレは自己責任で・・・)し、二日目の練習は午前中で終わりでお昼食べたら近くの観光スポットに立寄ったりして帰ってくるという具合で、多分に娯楽を兼ねた作りになっています。私はここ数年参加できなかったり一人遅れて参加したりが続き、行きから帰りまでバスで参加したのは2009年以来。しかも今回の合宿会場の民宿「麗峰」は、奇しくもこの2009年合宿と同じ会場でありました。

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| オーケストラ活動と音楽のこと | 19:55 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
数十分間の小旅行〜新大塚から小石川植物園へ

 今年のゴールデンウィークは比較的好天が続きましたが、私はオケの練習やら譜面の調達やら何やらで、結局どこにも行けませんでした。しかしどこへも行けないとわかっていればいるほど旅の虫はうずくもの。そこで5月4日の土曜日、毎週参加している東京サロンオーケストラの練習場所に行く道筋を変えて、せめてもの小旅行を試みました。いつもは東京メトロの後楽園駅あるいは茗荷谷駅から歩くのですが、この日は茗荷谷の一つ池袋寄りの新大塚駅で降り、駅の出口がある春日通りから並行する通称「千川通り」に出て、この千川通りとさらに一本入った、小石川植物園に至る道を歩きました。数十分間の小旅行です。

学校 (左写真)千川通りに出てすぐ看板に遭遇しました。学校・・・ですか。この辺に学校はいくつかありますが、どれなんでしょう?最初は学校名が入っていたのが退色して消えたのか、それとも最初から入っていなかったのか・・・地元の方が「この辺で学校って言やぁあの学校に決まってるじゃねぇか」ってわかっていらっしゃるのならよいのですが、すみません通りすがりの者なもので気になっちゃって・・・。
 このあたりの千川通りは小石川方面に向かってゆるい下り坂になっています。昔はこの道に沿って川が流れていたことがうなずけます(詳しくは後述)。

巣鴨教会 (右写真)千川通りから少し引っ込んではいますが、きょろきょろしながら歩いていたので尖塔と十字架に気づきました。日本キリスト教団巣鴨教会。幼稚園も併設されているようです。
 縦に並んだ窓の一番上にアーチ型の窓を配するデザインが、ちょっと銀座の泰明小学校や日本橋の常盤小学校のような震災復興小学校を思わせますが、建物に付いているプレートによると1973年の建築とのことで、意外と新しいものでした。でも真っ白い箱につくしの窓がマッチしていて素敵です。

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| 地域とくらし、旅 | 19:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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