2012.08.30 Thursday
今も覚えている景色 〜東大阪〜
例によってまた旅の虫がうずき始めましたが、例によって予定が一杯で動くに動けず、こんなときは旅の思いを綴るしかないことだなぁ・・・
ー・ー・ー・ー・ー・ー
私が子供の頃に見たあの景色は、今でも見られるのだろうか。
大阪平野と奈良盆地を境して、生駒(いこま)山地が南北に走っている。主峰の生駒山の標高は642mで、それ以外はおおむね300〜400mの山々が連なっている。奈良公園の東にあるあの一面芝生の若草山だって342m、筑波山は877mあるのだから、生駒山地はそれほど高いわけではなく、奈良側からは穏やかでなだらかに見える。しかし大阪側は傾斜がきつく、大阪平野から見ると聳え立っていると感じられるらしい。この山地を東西に越える峠は古くからいくつかあるが、たとえば暗峠(くらがりとうげ)を歩いて越えてみると、奈良側と大阪側の違いがよくわかる。私は奈良側から大阪側に越えたのだが、だらだらと長い坂道を散歩気分で登ってきて峠を越えると、とたんに大きくジグザグを描きながら下る急傾斜の道になる。東側と西側でまるで違う非対称の山容を実感させられる。
大阪の難波と奈良を結ぶ近鉄奈良線は、この生駒山地をトンネルで越えている。奈良側から電車に乗ると、生駒駅を出た電車はすぐにトンネルに入り、生駒山の北側をほぼ東西にまっすぐ越える。トンネルを出るとすぐに石切(いしきり)駅があり、電車はここで大きく左にカーブを切り、しばらくの間は生駒山地の西側の山腹をへずるように南へ進む。そして今度は右に大きくカーブを切って真西を向き、大阪平野の喧騒の真っ只中に下りて行く。
電車が生駒山地の山腹を走っている間、君は緑濃く聳える東の山側を見ているか。それを悪いとは言わないが、ほら、一度は西側のドアの傍に立って、眼下に一面に広がる大阪平野の東の端、東大阪市の街並み・家並みを見てごらん。
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私が子供の頃に見たあの景色は、今でも見られるのだろうか。
大阪平野と奈良盆地を境して、生駒(いこま)山地が南北に走っている。主峰の生駒山の標高は642mで、それ以外はおおむね300〜400mの山々が連なっている。奈良公園の東にあるあの一面芝生の若草山だって342m、筑波山は877mあるのだから、生駒山地はそれほど高いわけではなく、奈良側からは穏やかでなだらかに見える。しかし大阪側は傾斜がきつく、大阪平野から見ると聳え立っていると感じられるらしい。この山地を東西に越える峠は古くからいくつかあるが、たとえば暗峠(くらがりとうげ)を歩いて越えてみると、奈良側と大阪側の違いがよくわかる。私は奈良側から大阪側に越えたのだが、だらだらと長い坂道を散歩気分で登ってきて峠を越えると、とたんに大きくジグザグを描きながら下る急傾斜の道になる。東側と西側でまるで違う非対称の山容を実感させられる。
大阪の難波と奈良を結ぶ近鉄奈良線は、この生駒山地をトンネルで越えている。奈良側から電車に乗ると、生駒駅を出た電車はすぐにトンネルに入り、生駒山の北側をほぼ東西にまっすぐ越える。トンネルを出るとすぐに石切(いしきり)駅があり、電車はここで大きく左にカーブを切り、しばらくの間は生駒山地の西側の山腹をへずるように南へ進む。そして今度は右に大きくカーブを切って真西を向き、大阪平野の喧騒の真っ只中に下りて行く。
電車が生駒山地の山腹を走っている間、君は緑濃く聳える東の山側を見ているか。それを悪いとは言わないが、ほら、一度は西側のドアの傍に立って、眼下に一面に広がる大阪平野の東の端、東大阪市の街並み・家並みを見てごらん。