雪の翌日の山歩き
 昨夜降った雪が5、6センチ積もって、今朝は一転冬晴れの青空が広がりました。こんな日は低山歩きにうってつけなのです。今日が休みの週末だったら、と悔やまれます。

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 雪が降った翌朝がもし晴れたら、その日は近くの山を歩こう。足元はしっかり固めて、手袋に耳当て、毛糸の帽子。よく晴れて微風なら歩いているうちに暖まるから、厚手の防寒着は着て行かない。
 山に入ると、降雪で清められた空気は深々とあたりを満たし、聞こえるのは雪を踏む自分の足音と息づかい、ときどき啼く鳥の声、バサリ、ドサドサッと雪の落ちる音ばかり。谷あいの道は青っぽく沈み、足元が滑って肝を冷やす瞬間もなくはない。やがて日当たりのよい稜線に出ると、陽射しは明るく暖かく、青く澄んだ空には氷の粒の雲が浮かび、雪の飛沫もキラキラと輝きながら空中に漂う。谷をはさんで向かい合った稜線の雪が、陽射しを浴びてなんだかふんわりと暖かそうに見える。葉をすっかり落として明るくなった頭上の枝づたいに、小さく軽い毛玉のようなカラ類の集団がやって来て、てんでん勝手なおしゃべりとせわしない動きであたりの空気をかき乱し、やがてまた去ってゆく。
 このままどこまでも歩いて行きたいけれど、昼を過ぎれば雪はゆるんで泥濘となり足元を悩ませる。そうならないうちに早めに稜線を離れて、ふたたび青く冷たく沈み込む谷あいへ降りてゆこう。そこでも道端の小さい流れの氷が不思議な造形を見せてくれたり、うっかり踏み散らかした霜柱がガラスのようにきらめいたり、朝には気づかなかったものをまだいろいろ見出すことができるだろう。そうして幾分疲れを感じながら麓の町まで下りて来れば、乾いた道と夕陽と久しぶりの人臭さが、思いがけない懐かしさで私を包んでくれるだろう。
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| 暮らしの中から | 20:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ベッサRと歩いた土浦
 ベッサRのことを書いたら、やっぱりそれで写真を撮りたくなりました・・・フルオートのデジカメにはない様々な撮影手順−フィルムを巻き上げ、ファインダーを覗き込んでピントを合わせ、絞りとシャッター速度で露出を調整し−を経てようやくシャッターを押したときに返ってくる機械式シャッターの手ごたえと歯切れのよい音を思い出すと、もうたまりません。
 というわけで1月15日の日曜日、ベッサRにフォクトレンダーのカラースコパー35mmf2.5と、アベノン28mmf3.5(絞り羽根が8枚のモデル)、それに外付けの28mm用ファインダーを持って、土浦を歩いてみました。

ベッサR+AVENON28mm<ベッサRにアベノン28mf3.5と28mm用外付けファインダーを付けた勇姿。ベッサRのファインダーの視野枠は35mmまでしかないので、28mmレンズを使うには外付けのファインダーが必要。とはいえ、レンジファインダーカメラのファインダー、特に外付けファインダーの視野はあまり厳密なものではありません。>
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| 地域とくらし、旅 | 23:51 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
レンジファインダーカメラ BESSA-Rのこと
 「ペトリカメラと私」に書いたとおり、高校時代に火がついた私の写真熱は大学入学を機に一時的に冷めましたが、専攻した日本民俗学のフィールドワークの記録に使うため小さくて操作の簡便な一眼レフのニコン EM を購入したのをきっかけにじわじわと再燃し、社会人になって低山歩きを始めるとEM を手放してニコン FE、さらに F2 フォトミック AS を入手し、山の風景や道端の草花を撮るようになりました。この頃が私の写真熱の第二次のピークです。この後 F2 は F3HP に交替し、現在の主力機はマイクロフォーサーズのデジタル一眼 LUMIX G1 ですね。このように私の35年を超えるカメラ遍歴の主流は、ずっと一眼レフでした(LUMIX G1 はミラーレスなので厳密には一眼「レフ」ではないが、フレーミングやフォーカシングの感覚は一眼レフと共通しています)。
 しかし私がペトリ V6II の前に使っていたカメラ、つまり私の人生最初のカメラは一眼レフではなくレンジファインダーのコニカ III でした。そしてペトリ V6II に連なる一眼レフの時代が続く間ずっと意識もされずにほっておかれた私のレンジファインダー機への愛着は、コニカ III を手放してからほぼ四半世紀の時をおいて、コニカ III の五世の孫ともいうべき(?)コニカ HEXAR RF、さらにフォクトレンダー BESSA-R の入手という形を取って、隔世的に表れたのです。一時は虚像式の連動距離計だけが付いていてファインダーのない BESSA-T というモデルに、ロシア製のターレットファインダーを付けてたりもしてました。すぐ止めましたけどね(笑)。

BESSA-Tターレットファインダー<左が BESSA-T。右がターレットファインダー。左の写真のてっぺんについているファインダーを右のものに換えると私が使っていた姿になります。ターレットファインダーは円盤の部分を回して撮影レンズの焦点距離に見合った視野に切り替えることができるもので、28mm, 35mm, 50mm, 85mm, 135mmといったレンズにこれ一つで対応できるので便利っちゃ便利だし、何といっても見た目のものものしさがなんか武器みたいでかっこいい。もっともファインダーとしての見え味はいまひとつでしたが・・・。
しかしこのカメラは大昔のライカみたいに、ボディ本体でピントを合わせてから一度目を離してファインダーをのぞきなおさなければならず、機能性の面であまり実用的ではありません。後継機が出なかったのもむべなるかな。>


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| 写真とカメラ | 22:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
新年のご挨拶

 震災と放射能汚染の影響を大きく深く被った年、また個人的には経済的にボロボロだった年(住宅ローンの返済額が上がったのに夏冬賞与共に無し!)が明けて、新しい年になりました。年が改まったからといって何かが目覚しく良くなったということもなく、やはり問題を一つずつかたづけながら一歩ずつ進んで行かなければならないことに変わりはありません。ひょっとしたら年末に買った宝くじが大当たりしているかも知れませんが、仮に当たっていたとしてもここに書くはずもなく(笑)、まぁいずれにしてもとりあえず無事に年を越せて何よりでした。

 何人かの方への年賀状にも書いたとおり、今年こそは「天命」を知ろうと思っています。論語の「五十而知天命(五十にして天命を知る)」の天命です。満50歳になり「これから一年かけて天命と呼ぶに足る仕事 Beruf を探せよ」と呼ばれた気がしたのは昨年のこと(こちら)でしたが、おそらくその思いが十分強くなかったせいでしょう、未だに「これが天命」というものを知るに至りませんし、その上に生活を成り立たせるべき仕事 Beruf の目途も立ちません。

 ちなみに昨年は結局失職せず、仕事も生活もほぼ同じ状況のまま今日まで続いてきたのですが、結果的にそのことが天命との巡り会いを遅らせているのかも、という思いもあります。つまり私の天命は現状の延長線上にはないんじゃないか、と。

 そのようなわけでこれから何がどうなるか自分でもわかりませんが、こちらをお読みいただく皆様には本年のご多幸をお祈り申し上げますとともに、お気が向いた時には精々お付き合いくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

| 暮らしの中から | 23:58 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |

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