やがて高校に入ると新しい人間関係ができ環境も変わり、私も写真やカメラに関心を持つようになりました。当時私が使っていたカメラは父から譲り受けたコニカ III という古いレンジファインダーカメラでしたが、その頃にはレンズシャッターのシャッター羽根に油が回ってしまい、羽根同士が密着して作動しなくなっていました。そんな折も折、叔父がカメラを買い換えるというので、それまで叔父が使っていたカメラを譲り受けることにしました。そのカメラがあのペトリカメラ製のペトリ V6II という一眼レフだったのです。
<ペトリ V6II の雄姿。写真はネット上にあったものを拝借しました。左の黒いのはソフトケースです。
シャッターは横走り布幕フォーカルプレーンシャッター、シャッタースピードはBと1/2〜1/500で自動露出(AE)はなし。ストロボ同調は1/30と1/60の間に設定されています。露出計は内蔵されていませんが、ボディ前面の巻き上げレバーとシャッターダイヤルのすぐ下あたりに物を引っ掛けられる突起があり、シャッターダイヤル上面の1/500のすぐ横にカップリング用のピンが出ていることから、ここに取り付けられる外光測光式・シャッター速度優先の専用露出計があったと思われます。
シャッターボタンがボディ上部でなく前面に斜めについているのが外見上の大きな特徴で、これは旧東独のペンタコンなんかと同じですね。ニコン F シリーズと共通のかぶせ式ケーブルレリーズが使えます。シャッターストロークは比較的短く反応はシャープだったと思います。その下にタイマーがあり、レバーを巻くと現れる小さなボタンを押してスタートします。ファインダーは一般的なスプリット+マイクロプリズムだったように覚えています。視度調整レンズが付けられたかどうかは記憶にありません。
レンズ交換はレンズをボディに当てて周囲のリングで締め付けるブリーチロック(スピゴット)式で、この方式はボディ側のマウントとレンズのバヨネットが擦れ合わないので磨耗しないのが利点とされていますが、最近のカメラには採用されてませんね。またレンズに Auto という表示がありますが、これは全自動絞り(絞りを設定しても開放のままフレーミングとフォーカシングができ、シャッターを切ると同時に設定した値まで絞り込まれて撮影、撮影後は再び絞り開放に復帰する)の Auto で、自動露出(設定したシャッター速度に対する適正な絞り値を自動で設定する:AE)や自動焦点(オートフォーカス:AF)の Auto ではありません。
何てったって露出は勘で決め、ピントは目で見ながら手で合わせる全手動カメラですから操作は非常にシンプルで、取説なんか無くたってすぐ使えます。実際私はこのカメラの取説を見たことがありません。うぅ〜懐かし楽しい〜>