久々のブルックナー
 実は今勤めている会社が来月早々に親会社に吸収合併されることになってます。私もいろいろな会社で様々な新しい事態に対処してきましたが、会社の吸収合併、しかもされる方という、またまた未経験の事態に対処することになり、ここ半月ほどはそちらの方に心も体も取られっぱなしで、ブログ更新も思うに任せませんでした。あぁ〜何の心配もなく遊んで暮らしてぇ〜・・・

 そんな中、最近ブルックナーの交響曲に触れて心癒されてます。きっかけは先月のN響アワーの時間に放送されたスダーン / 東京交響楽団による交響曲第8番。残念ながら個人的に一番の聞きどころの第三楽章はカットされていましたが、「そういえば最近ブルックナーはご無沙汰だったなぁ」と改めて思いました。

ブルックナースコア 高校卒業までブルックナーもマーラーも未経験だった私は、大学のオーケストラの同期の某君からことあるごとにブルックナーの魅力を吹き込まれていたのですが、先にマーラーに目覚めてしまい(若かったのですなぁ)、ブルックナーに親しむようになったのは比較的遅かったように思います。
 しかし時間に余裕がある学生時代にマーラーとブルックナーの交響曲に触れることができたことは幸運でした。というのは、この2人の交響曲はとにかく長大で、さらに対位法を駆使して書かれているために、私がこの2人の作品に親しめるようになるにはかなり時間がかかったからです。しかしこの時期にバッハの「フーガの技法」をスコアを見ながら聞き込んで対位法に親しんでいたことも幸いし、やがて辛うじて入手したブルックナーの交響曲第7番、8番、9番のスコア(当時は国内版スコアはなく輸入版は高価だった)とにらめっこしながら聞くのが至福の楽しみとなりました。
<写真の上3冊が学生時代に買ったブルックナーのスコア(左から7番・8番・9番・・・って、見た目変わんないし ^^;)。当時学生に手が届いたのは旧・東独ブライトコプフがカバーしていたハース版か、オイレンブルクから出ていた改訂版くらいで、下の水色表紙のノヴァーク版は値段が倍くらいしたので社会人になってから買いました。今は音友からノヴァーク版が出てますが、当時は国内版はなかったのだ。今の人は幸せですよ。>

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| オーケストラ活動と音楽のこと | 18:59 | comments(5) | trackbacks(0) | pookmark |
近頃飲んだ酒:「鶴の友」別撰
鶴の友金包み 以前松江の「李白」を紹介しましたが、ものごとには全て終わりがあるもので、さしもの「李白」も空いてしまう日がやってきました。次のお酒は家内の実家のある、新潟は内野の「鶴の友」。今回のは私の誕生日のお祝いに岳父からいただいたもので、普通酒のひとつ上の「別撰」なので、こんな金紙包みで届きました。

鶴の友別撰 以前こちらのブログでもちらっと紹介したことがありましたが、新潟市西区内野というところは良質の伏流水に恵まれ、今でもさほど広くない町の中に造り酒屋が3軒あります。その中で私が気に入っているのが「鶴の友」。他の2軒のお酒と飲み比べたわけではなく、たまたま飲んで気に入ったのがこれだったというだけですが、特にどうこういうこともなく普通においしく、飲み飽きしないお酒です。「別撰」がおいしいのはもちろん、普通酒の「上白」もじゅうぶんおいしい。しかも地元とその周辺以外ではほとんど買えない、ほんとに地酒らしい地酒なのです。

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| 飲酒日誌 | 21:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
キリギリス発見!
 2月14日の夜から一晩中降り続いた雪は未明に雨に変わり、その雨も午前中には上がって太陽が顔を出し、積もった雪は昼までに日陰の一部を除いてほとんど融けてしまいました。
 気温は5〜6度くらいだが風もなく穏やかに晴れた昼休み、いつものように自転車で一回りして会社に戻ってくると、なんとキリギリス発見!一面の枯れ草の茶色とコンクリートの白とアスファルトの黒の中、その緑の体は目立ちすぎだろう!

クビキリギリス 歩いたり跳ねたりして逃げようとはするのですが、気温が低いせいで動きが鈍く、なんなく捕まえられます。しょせん変温動物よのう・・・。体の形と赤い口元は紛れもなく血吸いバッタ!、というのは俗称で、こいつはクビキリギリスです。春から夏にはおなじみの虫ですが、実は成虫で冬越しするとは今まで知りませんでした。このブログに何回か登場しているツチイナゴも成虫で冬を越しますが、あれの装いはいかにも「冬です!」といった感じの枯葉色。雪が降った翌日の緑のキリギリスは春の予感か夏の虚像か、うれしい驚きでした。

 ところでこの虫の Wikipedia の見出し語は「クビキリギス」になっていて「クビキリギリスともいう」(太字は筆者)と補ってあるのですが、これ、ほんとですか?クビキリギスってコトバ的にはどうなのかなぁ。

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| 身近な自然 | 20:59 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
とりあえず明日からも仕事あります
 本ブログを以前から順番に読んでいらっしゃる方は、今年の最初に「頭の中でバーバーの「弦楽のためのアダージョ」が鳴ってる」云々と書いた記事が上がってて、その中に2月10日で会社を解雇されると書いていたのを覚えていらっしゃるかも知れません。
 その件についての続報ですが、けっきょく私は親会社に拾ってもらい、明日以降も仕事が続けられることになりました。振り返れば昨年の今頃も会社の清算をやっていた、ということは当然それ以前から資金繰りは思わしくなくそれなりに無理を重ねてきていて、去年その会社の営業を引き継いだ新会社もやっぱり利益が上がらないまま今月の整理解雇に至ったわけで、ずっとそんな会社の経理をやってきた者としては正直なところいい加減疲れたので、失業給付の6割生活でもいいから2、3ヶ月頭を冷やして人生再スタートも悪くないかもな・・・なんて考えていたところでした。
 何はともあれ切れ目なく仕事ができるのは、このご時勢で50歳の男が再就職先を探す困難さを考えれば有難いことです。
 
| 暮らしの中から | 23:10 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
角海浜村のこと 〜長塚節「弥彦山」から−2〜
 前編では長塚節の「弥彦山」を引用しながら、内野を流れる新川がかつては底樋川と呼ばれていたことを見てきました。ところで春から秋は「越後の毒消し」の行商に歩き、年の暮れにはその底樋川を渡って内野の市へ正月の蛸を売りに来た女達が住んでいたという五ヶ(浜)や角見(角海浜)は、今はどうなっているのでしょうか。

 越後の毒消しの行商は前編でふれたとおり江戸時代末期から行われており、昭和28年に宮城まり子が「毒消しゃいらんかね」を歌った頃がピークであったとも言われますが、昭和30年代から始まった高度経済成長期に生活様式が変わった影響を受けて廃れ、現在では行われていません。

 五ヶ浜は漁業なども行ったらしく、近くに浦浜海水浴場がある関係からか民宿もあるようです。こちらで現在の五ヶ浜の集落の写真を見ることができます。落ち着いた雰囲気が漂う集落のようですね。

 さて、もう一方の角海浜です。越後の毒消しはもともと角海浜にあった称名寺に伝わる家伝薬であったという説があり、そうだとすれば角海浜こそ越後の毒消し発祥の地ということになります。しかしその角海浜は、調べてみると今では廃村となり、しかも建物の遺構などもまったく残っていないそうです。これにはびっくりしましたが、その原因はこの村特有の海岸侵食による人口減少で、最後は原発建設計画によって止めを刺され、その後集落跡は整地されてまったく痕跡をとどめていないとのこと。残酷なような、はかないような話です。
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| 地域とくらし、旅 | 11:08 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
底樋川のこと 〜長塚節「弥彦山」から−1〜
新旧地形図で見る新潟県の百年北陸鉄道線路図 以前、新潟市西区の内野の近くにある新川と西川の立体交差のことを書きました。その後新潟に関する地図資料に気をつけていたところ、「新旧地形図で見る新潟県の百年」(鈴木郁夫・赤羽孝之編 新潟日報事業社 2010/8)という本が見つかりました。さっそく購入し、ぱらぱらめくって見てみると、裏見返しに明治36年刊の「北越鉄道線路図」という地図が印刷されていて、西川も新川も載っています。ところがその交点がただの平面交差のように表現されているのは、おそらく立体交差になっている現地の状況を知らないで書いたものでしょう。この図だけをもとに「西川と新川は平面交差していたらしい」などと論じたらとんでもないことになってしまう、史料の使い方には気をつけないと、などと考えながら見ていると、この図の新川の河口に表示されている河川名が新川ではなく、何か三文字の名前になっていることに気づきました。小さい文字がぼやけて見難いのを目を凝らして見てみると、どうやら「底樋川」と書いてあるようです。。

内野・底樋川周辺<上左:「新旧地形図で見る新潟県の百年」 上右:同書の裏見返しの「北越鉄道線路図」
左:「北越鉄道線路図」の内野周辺を拡大。新川・西川の交差(図中の赤丸)は平面で合流・分流しているように描かれているが、実際の新川は西川の底を底樋でくぐらせたので、この図は不適切。また新川の河口に表示されている名前(図中の青四角)は新川ではなく底樋川と読める。>

 これはおもしろい、以前書いたときに触れたとおり、新川は西川の底に木製の底樋(そこひ)を通して立体交差させたので、「新しく掘った川」という意味の新川以外に、「底樋で通した川」という意味で底樋川と呼ばれたこともあったのだろうか。しかし新川のほとりにあった案内板でも巷のガイドブックなどでも、この川は新川とだけ書かれていて、底樋川という記述にはお目にかかりません。この川が底樋川と呼ばれたのがほんの短い間だけだったか、あるいは底樋川は俗称で、公式名称である新川に駆逐されてしまった可能性もありますが、先ほどの平面交差の件もあるので、この図をそのまま信用して「新川は底樋川とも呼ばれていたのだ」と即断することは少々ためらわれます。これは何か別の資料で「裏をとる」ことが必要だな・・・。
 ところが現在では忘れ去られたかと思われるこの底樋川という名が、意外なところに記録されていました。
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| 地域とくらし、旅 | 15:45 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
自分が出た演奏会:東京プロムナード・フィルハーモニカー 第4回定期演奏会
ポスター 立春を迎えてようやく冬の寒さが緩んだ2月5日(土)の夜、東京プロムナード・フィルハーモニカーの第4回定期演奏会が行われました。

東京プロムナード・フィルハーモニカー 第4回定期演奏会
日時:2011年2月5日(土) 18:00開演
場所:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
曲目:交響曲第1番(ベートーヴェン)
   交響曲第8番(ドヴォルザーク)
    アンコール曲として
   スラブ舞曲第8番 Op.46-8(ドヴォルザーク)
   ラデツキー行進曲(J.シュトラウスI世)

 このオーケストラには第一回の定期演奏会からずっと参加していますが、初めのうちは楽器同士の音がなかなか溶け合わなかったのが、今回あたりからメンバー同士の音がなじんできたというのか、弦楽器セクションとしてのまとまった響きがするようになってきた気がします。こうなると次は弦と管を溶け合わすことができるようになってくるわけで、オーケストラの音というものもやはり熟成が必要なのかなぁと思いました。
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| 自分が出演した演奏会 | 21:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
コレギウム・アウレウム合奏団のブランデンブルク協奏曲

 前の記事ではアルヒーフレーベルについて長々と語ってしまいましたが、もとはと言うと最近買った、というか買い直したコレギウム・アウレウム合奏団によるブランデンブルク協奏曲について書きたくて、アルヒーフの話はその前振りとして書き始めたのがどんどん長くなっちゃったんですね(汗)。というわけで、以下その続きです。

 さて、バロック音楽を聞き始めた人は誰もそうだと思いますが、当時中学生だった私もバッハの「ブランデンブルク協奏曲」を聞きたいと思いました。もちろんブランデンブルク協奏曲の録音は当時も山ほどあったし、古楽のチャンピオンレーベルであったアルヒーフには名盤の誉れ高いリヒター / ミュンヘン・バッハ管盤が、また古楽の老舗ダス・アルテ・ヴェルクには元祖ピリオド系のアーノンクール / コンツェントゥス・ムジクス・ヴィーン盤がありました。しかし中学生の私は悩んでいたのです。まずリヒター盤もアーノンクール盤も当時私がお世話になっていた廉価盤(1,000円〜1,300円/枚)に比べて2倍以上と高価でしたし、ブランデンブルク協奏曲全曲となると2枚組になりますから出費もさらに2倍!(汗)しかし廉価盤のアーティストの顔ぶれは、情報に乏しい中学生にとってはどれもドングリの背比べで、「これを聞きなさい!」という圧倒的な迫力には欠けていたのですね。そんな中、天啓の如く現れたのが「オリジナル楽器による auf Originalinstrumenten」と謳ったコレギウム・アウレウム盤(原盤は Deutsche Harmonia Mundi、発売元はテイチク)であったのです。

Brandenburg_LP コレギウム・アウレウム盤のメリットは、当時私がアルヒーフ友の会の機関紙「アルヒーフ」などを通じて抱いていたオリジナル楽器に対する関心を満たしてくれて、しかも2枚組で4,400円と、やはりオリジナル楽器を使ったアーノンクール盤より安いことでした。多分私が買った最初のレギュラープライス(すなわち廉価盤でない)のLPだったと思います。
 この盤で初めてブランデンブルク協奏曲を聞いた中学生は感動しました。曲が面白いのはもちろんですが、オリジナル楽器特有の音、特にトラヴェルソの音は、フルートを吹いていた中学生にとって衝撃的でした。何回も聞き、友達にも聞かせ、丸覚えしてしまいました。そしてこれが私のブランデンブルク協奏曲の原点というか、ものさしになりました。
 

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| オーケストラ活動と音楽のこと | 20:03 | comments(4) | - | pookmark |
アルヒーフレーベルのこと

 私がバロック音楽を好んで聞くようになったのは中学生になった頃ですから、もう35年以上も前ですか。CDやDVDはまだこの世に存在せず、LPは1枚2,500円程度で、ようやく「廉価盤」といわれる1枚1,000円〜1,300円のシリーズが出始めた時期です。

 そんな当時のバロック音楽のチャンピオンレーベルは、何と言ってもカール・リヒター、ヘルムート・ヴァルヒャらを擁するアルヒーフでした。ところが今では何てことない普通のレーベルですが、当時のアルヒーフのLPは「これは中学生ゴトキが手を出してよいモノではないよ」という一種独特の雰囲気を漂わせながら、お店の一番奥の方の一角にかためて置かれていたような気がします。

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| オーケストラ活動と音楽のこと | 18:54 | comments(6) | - | pookmark |

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