問題の本は『大学的奈良ガイド―こだわりの歩き方』(奈良女子大学文学部なら学プロジェクト編 昭和堂 2009)。書名にはガイドとついていますが、これは普通に言うところの旅行ガイドではありません。「まえがき」には、学校で渡された修学旅行のしおりがはじめての「奈良本」、大人になって書店の旅行書コーナーで買ったのが二冊目の奈良本(これがおそらく普通の旅行ガイドでしょうね)なら、この本は「そんなあなたの「三冊目の奈良本」になりたい、と思っています。」と書いてあります。旅行ガイドより後に読んでほしいってことですね。
さらに「ガイドというにはやや分厚い一冊になりましたが」と書いてあるとおり、A5判で口絵4ページと巻末の索引+「奈良歩きガイド」17ページ他を除く本文が272ページ。しかもその本文は見た目9割方が文章な上に写真や図版は全て白黒(口絵4ページのみカラー)で、奈良女子大学の先生方が分担執筆したものゆえ、論文ほどカタくはないけど脚注あり参考文献ありで読み応え十分。
こう書いてしまうと何だか読むのがしんどそうですが、これが読んでみると面白い!なるほど「三冊目の奈良本」やわ、と思います。