タニマチという呼称は「壇越」(だんおつ)から来たのでは?

 新弟子暴行死事件や薬物問題から維持員席問題や野球賭博事件まで、このところ不祥事続きの日本相撲協会。私は数十年来の相撲ファンですが、残念ながら私の求める相撲は今の協会にはありません。私の求める相撲とは・・・と始めると長くなってしまうのでそれはおいといて、ここでは相撲界で不祥事があるたびに囁かれる「タニマチ」という言葉の由来について、いささか臆説を述べようと思います。

 タニマチの語源については諸説ありますが、大阪の谷町(たにまち;大阪市中央区谷町)の医師なり素封家なりに由来するとする説が最も流布しているようです。私はこの言葉がいつ頃からあったかとか、それがどのように使われていたかとかは全く調べたことがありませんが、実はかなり前から別の説を持っております。それは、タニマチは「壇越(だんおつ)」に関係してできた言葉なのではないか、というもの。まあ調査などもしてないし今のところ確証もないので、臆説の域を出ませんが。
 壇越は仏教用語で、「お布施をする人」を意味するサンスクリットだかパーリ語だかのダナパティの音写。なお「お布施」そのものはダーナといい、日本ではこちらの音写の「檀那、旦那」の方が「気前のいい人」というような意味でごく一般的に使われるのに対し、壇越(だんおつ、だんのつ)は今では仏教用語としてしか使われていませんね。

 ちなみにこの「ダーナ」は「寄付する」という意味の英語 donate とも関連があるらしい。なるほど、だから「印欧語族」なんていうくくりができるわけだ。

 脱線ついでにもうひとつ、「旦那」というコトバの普及に少なからず貢献した(?)「エノケンのダイナ」(「ねぇダンナ、飲ませてちょうダイナ〜♪」というやつ。元歌はハリー・アクスト作曲、三根耕一(=ディック・ミネ)作詞、ディック・ミネ歌の「ダイナ」で、そちらは「おおダイナ、私の恋人♪」と格調高くロマンチック)の作詞は、あのサトウハチローなんだって!サトウさんといえばこの間は中根橋小学校でお会いしました(校歌の作詞者)が、一方でこんな仕事もしてたんですか!

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| ことばのこと | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
自分が出た演奏会:茨城大学第35回サマーコンサート
 今年も茨城大学管弦楽団のサマーコンサートにトラで出演させていただきました。今年は土浦交響楽団の定期演奏会東京サロンオーケストラの音楽鑑賞教室と日程が近くて、ちょっとした本番ラッシュの一番最後という格好でした。

茨大サマコン茨城大学管弦楽団第35回サマーコンサート
日時:2010年6月26日(土) 14:00開演
場所:水戸市民会館(茨城県水戸市)
曲目:「エグモント」序曲(ベートーヴェン)
   組曲「道化師」(カバレフスキー)
   交響曲第1番「春」(シューマン)
    アンコール曲
   ポルカ「狩」(ヨハン・シュトラウス)
指揮:松元 宏康

茨大primo 上の写真はプログラム表紙。ところで以前のプログラムをぱらぱらっと見返していて気づいたのですが、このオケは最近蝶々が好きなんですかね・・・第35回定期演奏会(2009.12.5)、第33回定期演奏会(2008.6.22)のプログラムの表紙も蝶柄(がら)ですよ。しかしこれらの中にはさまれた前回のサマーコンサート(2009.6.27)の表紙はなぜか全然違う作風なのだ。

 右は前回の第35回定期演奏会から入り始めた「おまけパンフレット Primo」。今回の内容は「作曲家イケメンコンテスト」、楽器紹介第2弾「木管楽器」、コンサートをもっと楽しむ♪まめ知識「拍手で気持ちを伝えよう!♪気持ちを伝える3つのタイミング」。最後のは拍手のフライングがあった土浦交響楽団のプログラムにも書いとけばよかった!? ちなみに作曲家イケメンコンテストは茨大オケが最近演奏した曲の作曲家8名がエントリー。一位はダントツでショスタコーヴィチだそうで、2位ドヴォルザーク、3位カバレフスキー。ふぅんそうなんだ・・・
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| 自分が出演した演奏会 | 23:26 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
自分が出た演奏会:東京サロンオーケストラ 音楽鑑賞教室@中根橋小学校
 あいにくの雨となった6月23日(水)、東京サロンオーケストラが板橋区立中根橋小学校で音楽鑑賞教室を開き、私は指揮と司会、アンコール曲のリコーダーを務めました。

音楽鑑賞教室東京サロンオーケストラ 音楽鑑賞教室
日時:2010年6月23日(水) 
1年生〜3年生向け 10:00〜10:45
4年生〜6年生向け 11:00〜12;00
場所:板橋区立中根橋小学校 体育館(東京都板橋区)
曲目:《1年生〜3年生向け》
   ハンガリア舞曲 第5番(ブラームス)
   狂った時計(シンコペーテッド・クロック)(ルロイ・アンダーソン)
   ピチカート・ポルカ(ヨハン&ヨゼフ・シュトラウス)
   トランペット吹きの子守歌(ルロイ・アンダーソン)
   中根橋小校歌(詞:サトウハチロー 曲:渡辺浦人)
   ビリーブ(詞・曲:杉本竜一)
   ラデツキー行進曲(ヨハン・シュトラウス(父))
    アンコール曲
   「崖の上のポニョ」(詞:近藤勝也・宮崎駿 曲:久石譲)

   《4年生〜6年生向け》
   ハンガリア舞曲 第5番(ブラームス)
   歌劇「天国と地獄」序曲(オッフェンバック)
   ワルツ「美しく青きドナウ」(ヨハン.シュトラウス)
   ビリーブ(詞・曲:杉本竜一)
   組曲「仮面舞踏会」より ワルツ(ハチャトゥリアン)
   ラデツキー行進曲(ヨハン・シュトラウス(父))
    アンコール曲
   「崖の上のポニョ」(詞:近藤勝也・宮崎駿 曲:久石譲)


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| 自分が出演した演奏会 | 12:40 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
自分が出た演奏会:土浦交響楽団第60回定期演奏会

 6月20日の日曜日、土浦交響楽団の第60回定期演奏会を行いました。60回というと一つの節目ですね。イベントがましいことは特にやりませんでしたが、その分土響としては意欲的というか、背伸びした感じのプログラムでした。

土浦交響楽団第60回定期演奏会
日時:2010年6月20日(日) 13:30開場 14:00開演
場所:ノバホール(茨城県つくば市)
曲目:「真夏の夜の夢」序曲(メンデルスゾーン)
   交響詩「ドン・ファン」(R.シュトラウス)
   交響曲第8(9または7)番「グレート」(シューベルト)
   アンコール曲は
   劇音楽「ロザムンデ」より 間奏曲(シューベルト)
指揮:田崎瑞博

土響プログラム表紙 今回はオーケストラの各パート、特に弦楽器にとって、難しい(メンデルスゾーン、R.シュトラウス)+長い(シューベルト)という、かなりしんどーいプログラムだったんですが、パートによっては合奏の前に自主パート練習を行う等積極的に取り組んだ結果、特にR.シュトラウスは最初に比べると見違えるように風通しがよくなりました。
 それと、やってみるとわかりますが、「ドン・ファン」はひとつひとつのパッセージは難しくて面倒で大変なんですが、多少あちこちガタガタしても致命的に壊れてしまうことはなく、あるべき状態に戻しやすいのです。組み立てにある程度「遊び」があるというか、robustな作りの音楽なのでしょう。
 これに比べると早熟の天才メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」(「真夏の夜」は正しくは「夏至の日の夜」だという話ですが)序曲ははるかに壊れやすく、壊れたところはそのとおり壊れたように聞こえちゃう。R.シュトラウスがrobustなら、こちらはfragileな音楽。一口に難しい曲といっても、いろんな難しさがありますね。
 これに対して後半のシューベルトは、音を出すのはそれほど難しくないけれどもとにかく長い!集中が最後まで持たない!コントラバス構えて1時間立ってるだけで疲れちゃう上に、譜面をめくってもめくってもまだ終わらない・・・それだけ最後のページにたどり着いた時の感動というか、眺望のない藪こぎを延々と続けていると前方が明るくなって、ぽんと視界が開けるとめざす山頂が思いがけずすぐそこに!みたいな昂揚感(笑)であの豪壮なコーダに突入していくわけで、それはどうしたって盛り上がって終わりますよ。
 というわけで今回はチャレンジングなプログラムではありましたが、演奏自体はけっこうよくできたと思います。いや、正直言って半年前にこのプログラムに決まったときは、ここまでできるとは思っていませんでした。

 アンコール曲では、繰り返しすることにしていた箇所を指揮者が間違えて繰り返しの先を振ってしまったために、多少の混乱はありましたが、まあご愛嬌ってことで・・・

<写真は演奏会プログラム表紙。製作者(団員)の言によると表紙写真は菅平で撮影したそうです。一番左の一見ホルンに見える楽器は、ちょっとわかりにくいけどホルンじゃなくてメロホンですね。メロホン(メロフォンとも)はホルン(フレンチホルン)より管が短く、左手でロータリーバルブを操作するフレンチホルンに対して、トランペットのように右手でピストンを操作します。管が短く構造も単純なのでホルンに比べて安価で、私が小・中学生だった時はごく普通に見かけましたが、現在では国内では製造されておらず絶滅危惧種。この表紙写真を見た他オケのホルン奏者は「えっメロホンでリヒャルト(・シュトラウス)!?」と絶句したとか。もちろん実際にはフレンチホルンで演奏しましたとも(笑)。>

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| 自分が出演した演奏会 | 21:55 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
関西ローカル パルナスのCM

パルちゃん 以前から声高に主張しておりますように、今年は平城京遷都1300年という記念の年でありますので、こちらでも不定期的に奈良・関西ネタを扱っていこうとタクラんでおります(笑)。

 以前CMソングについて書いたことがありますが、あれは全国区のCMソング。私は昔奈良に住んでましたので、関西ローカルのCMも見てました。もう40年くらい前のことなのでそのほとんどは忘れてしまいましたが、♪ありまひょ〜えのこぉよぉかくへ♪の有馬温泉「兵衛向陽閣」と、一定年齢以上の関西人は全員歌えるという(ほんまか(笑))「パルナス」のCMソングは、今でも覚えています。

 パルナス製菓株式会社は大阪にあったお菓子の会社で、普通にケーキなんかも作っていましたが、ピロシキが看板商品で、当時大阪に勤めていた父もときどき買ってきてくれました。しかし当時の私にパルナスの名前を忘れがたく刻印したのは、ピロシキという「現実」よりも、テレビCMで歌われたイメージという「幻」なのですね。「ママのあたたかいこころが」などという子どもにとっての殺し文句が入った短いレシタティーヴォに続いて、ゆったりと甘く悲しい短調のワルツに乗って「甘いお菓子のお国の便り おとぎの国のロシアの 夢のお橇(そり)が運んでくれた」云々という甘美なる幻のような歌詞が歌われるその歌(楽譜発見!)は、毎週日曜日の朝、「ジャングル大帝」とか「リボンの騎士」とかの時間帯に流れたのではなかったかなあ。これは休日の朝の幸せ感と、朝なのでまだちょっと夢うつつ感とがないまぜになった、無防備な子どもの頭に「パルナス」という名前と甘美なイメージを刻み込むにはまさにうってつけの時間帯だったわけで、そのおかげで40年経った今でも忘れることができないでいるという(笑)。
<図はパルナスのキャラクター「パルちゃん」。>

 ところでこの歌は甘いお菓子の歌で、ピロシキの歌は別にあったらしい・・・「らしい」というのは、その歌も聴いたかも知れないが記憶に残ってないんです。まあ、それだけお菓子の歌の方が名作だったということでしょう。大阪に住んでたらきっとパルナスの甘いお菓子も食べたと思うけど、奈良にいたためにもっぱら父の土産のピロシキばかり食べていて、そのくせ歌はお菓子の方しか覚えていない私は、パルナスとはいささかねじれた関係を結んでいたのかな?

 そのパルナスは、実はもうかなり前になくなってしまったらしい。しかしネット上であのCMを見られたり、元祖パルナスからあのピロシキを引き継いだお店があったりと、そのDNAはまだまだ健在。当時のピロシキの味はさすがに忘れてしまったけれど、関西に行く機会があったら、そのお店、立ち寄ってみようかなあ。「ママのあたたかいこころが お口の中にしみとおる」かも知れない・・・(←買って来てくれてたのはパパなんだけどね〜 ^^;)

| 暮らしの中から | 00:17 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
万葉集の「雲に飛ぶ薬」の歌
 日本経済新聞の文化面に昨日(2010年6月8日)まで10回連載されていた「アニメのふるさと絵巻十選」(羽衣国際大学教授 安東民児氏:お名前の「児」は本来は正字ですが、便宜上「児」と表記させていただきました)は、現在のアニメに用いられるのと共通する表現を絵巻物の中から探り出し、古人の表現力の豊かさと、現在の我々の感覚との意外な近さに気づかせてくれる好企画でした。
 ところでその最終回では、浦島太郎と天女が雲に乗ってふんわりと飛行する「浦嶋明神縁起絵巻」が紹介され、これに関連して

「我が盛り いたくくたちぬ雲に飛ぶ 薬食(は)むとも またをちめやも」

という万葉集の歌を引いて「雲に飛ぶ薬、この仙薬を飲めば天を飛行できるという、雲に乗って遊覧飛行してみたいなあという憧(あこが)れの歌であるが、古来より人が雲に乗るのは夢だった。」と結論されています。日経は一応仕事がらみで読んでるんですが、この日の私は中の記事より何より、連載のこの部分に反応してしまいました。それ、そういう歌じゃないですよ!

 この歌には確かに雲まで飛ぶ仙薬が歌われてはいますが、歌としては「雲に乗って遊覧飛行してみたいなあという憧れの歌」ではありません。それはこの歌が「またをちめやも」(また「をち」るだろうか)と結ばれているからで、「をち」は「若返る」という意味の動詞(終止形は「をつ」、漢字は「変若」と当てる)なのです。したがって歌の意は、この句が冒頭句「我が盛り いたくくたちぬ」(私の盛りは大変損なわれてしまった)と呼応して、

「自分はすっかり年をとってしまった。今さらそれを飲めば雲まで飛べるという高価な仙薬を飲んだとて、また若返ることなどあろうか(いやありはしない)」

ということになります。

 とりあえず歌意は取ったものの歌自体は初めて見たので、新聞を読んだときには「たとえ高価な仙薬にすがってでも若返りたい!でももう無理だわ(涙)」という切ない女心の歌か、あるいはわざとそうした物言いで座を盛り上げた、やや年かさの遊女の歌でもあろうかと思いましたが、調べてみると、これは大伴旅人のけっこうシリアスな歌だったんですね。
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| 国語・国文 | 23:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
季節のデザートを摘みながら歩こう!

 会社の昼休み、いつもコンビニおにぎりをそそくさと食べて散歩に出かけるのは、花やら虫やら季節ごとにいろんな楽しみがあるからですが、特に今の時期は散歩しながら食べられるデザートが待っているのだ(笑)。

ヤマグワ まずはヤマグワの実。熟すにつれて緑から赤を経て黒紫に変化します。食べられるのは黒紫に熟れたやつで、味は甘くわずかな酸味と渋みがあり、舌触りは少し粘りがあります。粒々の中に小さい種子がありますが、ほとんど気になりません。マルベリー(Mulberry)という名前で栽培もされているようです。
<下の写真の中央を横切っている枝の右下の方に緑色の実がついてますが、いかにも食べられなさそうな感じ。左上の赤や黒紫の実の方が食欲をそそります。>

ヤマグワ緑赤黒 アントシアニンを始め体にいい成分を含んでいるらしいですが、ひとつひとつは小さいものだし、散歩しながら二つ三つつまんで食べるくらいでは効果は期待できないでしょう(笑)。
 見た感じでは赤いのもおいしそうに見えますが、酸っぱいらしいです。しかしこの赤い実、つまり未熟果は引っ張ってもなかなか枝から離れず、反対に黒紫に熟したものはあまり力を入れなくても取れるので、自ずと熟したものから食べられることになります。うまいことできてますね。
ヤマグワの房 房に小さい軸が付いた形で取れるので軸をつまんで食べます。うっかり赤紫色の果汁を服につけてしまうとみっともないので要注意(汗)。
<軸がついているので葡萄の房みたいな格好にも見えます。房の長さは1.5cmくらいです。>

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| 身近な自然 | 19:59 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |

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