今はない油阪駅(奈良市)
 今年は平城京遷都1300年ということで地元・奈良が盛り上がってる!・・・かどうか、つくばではわかりません。しかし幼稚園の年少から小学5年生までの7年間を奈良で過ごした私としては、これを機会に奈良を訪ねて、40年前の記憶と40年後の現実をつき合わせてみたいという思いにかられます。特にあの、やたら広大なばかりで何もないただの草っ原、その中をつっ切る近鉄電車に乗っていてもその区間はひたすら退屈だったあの平城宮跡に建物が建っているという、これはこの目で確かめなければ!
 それ以外にも、私が40年前に住んでいた鶴舞団地はここ数年で大規模なリニューアルがかかっているようだし、あやめ池遊園地や奈良ドリームランドなど幼い日々を過ごした施設も数年前に相次いで閉園したし、奈良公園の鹿は「肉を売ったら金になると聞いた」という不心得者にボウガンで撃たれて死んじゃうしで、景色も世相もいろいろと変わってきているようですね・・・

 そんなことを考えているうちに思い出したのが、今はなくなってしまった近鉄奈良線の「油阪(あぶらさか)」駅のこと。今の近鉄奈良駅は地下駅で、ここから電車に乗るとしばらく地下を走り、地上に出るとすぐ次の駅は新大宮(しんおおみや)です。しかし私が子どもの頃、大阪万博の前まではそうではありませんでした。
 まず近鉄奈良駅は地上駅でした。そして電車は駅を出ると、しばらく路面電車状態で大宮通り(国道369号線)を西へ走ったのです。ところがその先には関西本線が南北方向に交差する形で走っていて、大阪方面に行くにはこの線路を越えなければなりません。現在は前述のとおり地下を潜って越えていますが、地下化する前の近鉄は関西本線の線路を高架で跨いで越えていました。しかもただ越えるだけでなく、関西本線を跨ぐその高架上に駅がありました。それが油阪駅だったのです。
 この駅で乗り降りしたことは一度もなかったけれど、空中に駅があることが子ども心に不思議で、しかも子ども目線だとものすごく高いような気がして、ちょっと怖かったものです。電車もこの区間はゆっくり走ったので、よけいに特別な感じがしたものでした。ネットを探してみたら画像がいくつか上がっています(たとえば、こちら)。うーん、懐かしい!でも今見ると「ものすごく高い」わけではないね・・・

 このあたりはいわゆる奈良町(ならまち)からはちょっと外れますが、今度奈良へ行く機会があったら、子どもの頃には一度もご縁のなかった、それなのに今も心に残っているこの界隈を、ぶらぶら歩いてみたいです。
| 地域とくらし、旅 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
サの神降臨! 〜サ・クラ賛〜
 4月12日(月)、関東地方は冷たい雨と風が一日中続き、今年の桜もこれでおしまいかと思われました。明けて13日(火)は一転して穏やかに晴れ、南からの暖かい風が入って気温も急上昇。仕事で銀行に行くついでにきょろきょろしてみると、茨城大学農学部の前の通りの桜などはまだまだ元気いっぱい。この後激しい風雨がなければ、今週末まで名残の花見ができるかも。

 さて、先日「国立で恒例の花見」のコメントで「桜(サ・クラ)=サの神(稲の穀霊神)のクラ(御座所)」説を紹介しましたが、私は現代の私たちがもてはやすソメイヨシノという品種は、この「サの神のクラ」説にはあまりふさわしくないと思っています。というのは、この品種はあまり高くならず、むしろ枝が横に広がり、CMでおなじみの♪この〜木なんの木気になる木♪みたいになる傾向が強いように思われるから。その結果適当な高さで頭上一面を花で覆ってくれて、さらに枝の末端が手の届く高さにまで下りてきたりもして、お花見にはとてもぐあいがよろしいのですが、いっぽう冬の間山にこもっておられたサの神様がいよいよ里へ下りてこようとされる時、その御座所たるサ・クラの木は、むしろすらりと背の高さが目につくくらいの方がよいはずだと思います。そして新緑にはまだ早い、いぶせく暗い緑の中で、そのすらりと高いサ・クラの木は、ただ一本だけ全身に輝くばかりの白花をまとい、見る人の心にサの神様の降臨を強烈に刻印する、そんなふうであってほしいと思うのです。
 実はそんな私のイメージに近いサ・クラの木が会社の近くにあるのです。

この木何の木<♪この〜木なんの木さくらの木♪・・・ひとりでわがまま放題に育った?ソメイヨシノ。どこかむく犬のような愛らしさ>





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| 身近な自然 | 21:05 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
湯島界隈の震災復興建物たち 併 湯島天神の奇縁氷人石

 4月10日(土)の東京サロンオーケストラの練習会場は、いつもの文京区小石川でなく湯島でした。湯島という所はこういうことでもないと訪れる機会がないので、早めに着いて東京メトロの湯島駅から湯島天神付近をぶらぶらしてみたら、私の好きそうな建物が見つかりましたよ(笑)。

1.東京メトロ湯島駅6番出口の建物群
 東京メトロ湯島駅にはホームの両端に出口があって、利用者が多いのは綾瀬寄りにある池之端、上野広小路方面への出口(1番〜4番出口)ですが、そちらはだいたい様子がわかっているので、今回はホームの反対側の端にある湯島小学校方面への5番出口から、中央通りの一本西側を湯島から西神田へ南下する通りに出てみました。そこから通りの反対側にある6番出口を眺めると、うわぁ、出口に隣接した建物群がいい感じ。どうやら関東大震災後に建てられた震災復興商店の生き残りと思われます。

建物群全景<写真左端が東京メトロ油島駅6番出口。隣接する建物群に注目。駅出口に近い2軒は飲食店として活躍中。がんばって!>

エンブレム<それぞれの建物の2階の窓の上にはなかなか凝ったエンブレムのような飾りが付いています。ちょっと写真が暗くなってしまいましたが、これは現役2軒のすぐ隣、錆びた看板の文字が「南條時計店」と読める建物のそれ。優美です。>

亀と龍<この建物群には他の震災復興商店によく見られる銅板が見られませんが、よく見るとそれらしきものがありました。向こう側は亀、手前は龍。おめでたい図柄に復興への期待を込めたものでしょうか。>

現役2軒<現役の飲食店として気を吐いている2軒。エンブレムもしっかり付いてます。>

ビルの谷間に この建物群は地下鉄の出口に隣接する現役の飲食店とひとつながりになっているという好条件に恵まれて、今日まで残ってきたのでしょう。既に周囲をビルに囲まれていて、いずれ取り壊し・建て替えの運命は免れ難いと思われますが、身近なところで、また目に見える形で、関東大震災と復興という歴史的事実を今に伝えているところが貴重です。

2.3階建て
 通りを春日通りに向かって歩いていくと、3階建ての物件が目につきます。私がこれまで見てきた震災復興事業の商店はみんな2階建てなので、3階建てはそれらとは別の機会に建てられたのでしょうか?でも震災復興お得意の銅板が使われている物件は仲間のような気もする・・・まあ調べたわけじゃないから臆断はやめて、とりあえずはゆかしい風情を楽しむに止めておこう。

銅板のある3階建て<銅板使用の3階建て物件。一階のシャッターがすごいことになってるのが気がかり(たぶん開かずのシャッターなのでは・・・)ですが、緑青が油絵のような、なんともいえないいい味わい。>

一色屋菓子店<こちらのお菓子屋さんは一橋大学の兼松講堂を思わせるアーチ窓が気品を漂わせております。>
 

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| 地域とくらし、旅 | 20:03 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
東京サロンオーケストラ合宿2010
 さて、「国立で恒例のお花見」の続編です。後ろ髪引かれる思いで高校の同級生達とのお花見を辞し、国立駅から再び中央線に乗り、16時1分立川始発の各駅停車松本行きに乗り換えます。さぁひさしぶりの電車旅を満喫するぞー!高尾の先まで乗るなんて何年ぶりだろう。

 相模湖、藤野、上野原・・・駅前の桜はどこも満開。国立の桜並木の豪奢な趣とは違いますが、ここにも確かに春が来ています。私たちが満開の桜を見て特別な思いを懐くのは、サの神(稲の穀霊神)のクラ(御座所)であるこの花の満開を秋の田の豊作の予祝と見た、私たちの先祖の血を確かに承けているからなのか、あるいはちょうどこの花の咲く頃に味わう、出会いと別れの痛甘苦(いた・あま・にが)酸っぱい思い出(ってどんなんや?(笑))に心が疼(うず)くから?・・・こんな益体(やくたい)もない考えに自堕落に耽っているうちにも窓外の景色は遷り、やがて列車は大月に到着しました。ここで富士急行に乗り換えます。富士急行って、乗るの初めてか、乗ってたとしても記憶がないなぁ。
 
 17時38分発の河口湖行きまで時間があったので駅そば屋さんをのぞいてみると、首都圏で「あじさい茶屋」等の駅そば店を展開する日本レストランエンタプライズの運営であることは暖簾からわかりましたが、他には「そば うどん」とあるばかりで、なぜか屋号が見当たらない・・・少なくとも私は見つけられませんでした。河口湖に着けばすぐ夕食兼宴会という時間帯ですが、初見参の駅そば店とあっては素通りできませぬ。例によって天ぷら(かき揚げ)そばを賞味・・・むむ、この独特の粘りと甘味を感じる麺は「小竹林」系だな。かき揚げは揚げ置き。
 ちなみに帰宅後にネットで確認してみたら、やはり「小竹林」の店のようですが、店名を大書してないのは「吉田のうどん」など独自メニューも出しているからかも。

 富士急行にはかの有名な(と断言していいのかな?茨城あたりでは微妙かも)「フジサン特急」が走っていますが、この日は最終便が出た後で、残念ながらその雄姿を見ることはできませんでした。それでも自分が乗った1200形車両は京王電気鉄道から譲渡された車両をもとに、ロングシートを転換式クロスシートに、ドアをボタン開閉式にする等の改造を施した、なかなか鉄分豊富な車両。さらに窓ガラスが経年劣化のせいかけっこうくもっていて、外の景色がぼんやりと霞がかかったように見える(ようにしか見えない)のも、富士吉田でスイッチバックするところも、いかにもローカル私鉄っぽい味わい豊か。
富士急行1200形<富士急行1200形。大きな目が(昔の)京王電車です。>

富士急行1200形旧色塗装<こちらは同じ1200形ながら旧色塗装。顔は同じだが雰囲気が違うね。>

 大月では八分咲きだった駅前の桜も進むにつれて五分咲きになり三分咲きになり、下吉田あたりまで来るとまだつぼみのままの木も。やがてあたりは次第に暮れていき、家々の窓には灯りがともり、そんな中で一人ぼやぁんと列車の揺れに身を任せていると、何とはなしに人懐かしく、自分の輪郭も溶けそうで・・・これぞ鉄道一人旅の醍醐味、至境です。

 18時32分に河口湖に着いたときにはすっかり暗くなっていました。合宿会場の「丸富荘」さんへはバスでも行けるはずですが、バス停で降りてから暗い中で迷うのもいやだし、もう夕食が始まっているという連絡もあったので、タクシーを奮発。到着後はそのまま夕食から宴会へなだれ込み、結局この日は全く楽器を弾きませんでした。まあそういうこともありますさ。
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| 地域とくらし、旅 | 20:34 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
国立で恒例のお花見

 4月3日の土曜日、毎年恒例の高校の同級生達とのお花見のため国立に行きました、というか、正確には立ち寄りました、ということになるんですが。
国立駅改札口<国立駅の改札口の内側から。もうこの辺から桜が見えてきて、気分はうきうきドキドキ。>

ホームから駅前広場を俯瞰<中央線の高架化で三角屋根の国立駅舎が解体されてしまったのは残念ですが、ホームから駅前広場を見渡せるようになりました。ただ、手前の工事中のエリアがちとお見苦しい。>
 この日は朝から晴れて暖かく絶好のお花見日和。ところがよりによってこういう日に会社で半日の会議があり、つくばを出発できたのはお昼ごろ。いけずな会社だ(苦笑)。
 しかし今回はそれがかえってよかったので、というのは、実はこの日と翌日は私の所属する東京サロンオーケストラの合宿で、本来なら朝からバスで河口湖へ行くはずだったのですが、午前中に会議が入ったために私一人が電車で行くことになり、しかも河口湖なら途中で国立も通るじゃん!というわけで、中央線を国立で途中下車、1時間弱ですがお花見に参加して旧交を温めることができました。去年もやはりオケの合宿と重なっていて、参加できずに一人花見になってしまったので、一昨年以来2年ぶりの参加です。ほんとはゆっくりしたかったんだけど、オケの合宿も大事だからね。来年はぜひフルで参加したいものだ。みんな元気でね〜。

この後私はオケの合宿に参加するべく再び国立駅から中央線に乗り・・・続きは続編で。

一橋大前<国立駅から大学通りを南へたどり一橋大学の前あたりまでが一番人の密度が高いのです。ここから先はだんだんと人がばらけて、お店の前に人だかりがあって、またしばらくばらけて、という感じ。>

国立の桜<大学通りには桜とイチョウが一本おきに植えられて並木になっていますが、一本一本もまたみごとです。>
レ・アントルメ国立<去年も一昨年もお土産を買った洋菓子の「レ・アントルメ国立」。ご覧のとおりの人気です。今年も買い物したかったけど、なにぶん時間がないので素通りしてしまいました。またいつか来よう。>

<ここからは国立へ戻る帰り道。この写真を見ると、桜とイチョウが一本おきに植わっているのがよくわかりますね。>
<いやもう言葉もありません・・・。>

<解体撤去されてしまった三角屋根の駅舎がこんなところに。歩道に埋め込まれたタイル。国立のランドマークでありシンボルでしたので、ぜひ復活してほしいものです。>
| 地域とくらし、旅 | 21:25 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |

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