北村智恵『子どもの眼の高さで歌おう』
子どもの眼の高さで歌おう ここ一週間ほど毎日少しずつ読んでは感動の涙を流している本。少し古い本なので残念ながら古書でしか手に入らないかも知れませんが、音楽について、子どもに音楽を教えるということについて、音楽との関わり方について、真剣に考え実践する中から書かれていて、とても示唆に富み、頷かれることが多いです。

『子どもの眼の高さで歌おう』●あるピアノ教師(レスナー)の記録
北村智恵 著 芸術現代社 昭和58

 ある夜たまたま点けたラジオから、障害者のピアノ演奏についての、心が洗われるような暖かく素敵なお話が流れてきました。コーナーの終わりに紹介された出演者の名前は「きたむら ちえ」。さっそくネットで検索し、著書があることを知り購入しました。
 著者は大阪府高槻市のピアノの先生で、この本は子どもたちにピアノを、ピアノを通して音楽を、また音楽とのさまざまな関わり方を教え、また考える中から書かれました。著者自身の考えや主張が真摯かつ明快で教えられるところが多いのに加え、描かれている子どもたちのようすやその言葉、書いたものなどがとても生き生きしていて感動させられ、また考えさせられます。読むたびに必ず泣けるのは、必ずしも年齢による涙腺のゆるみのせいばかりではありますまい。毎日さわやかに感動したいから、わざと少しずつ読んでいると言ってもいいかも。
 
 私としては子どもたちの言葉が関西弁の話し言葉のまま書かれているのがとても懐かしく心和みました。こない楽しく教えてもらえるんやったら、私も北村センセにピアノ習いたかったわぁ。
| 本のこと | 21:44 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ある夜“声”が聞こえてきた 〜モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 K.491〜
 このところ仕事が多忙で音楽関係の書き込みができてません。実は書きたいことがないわけではないのですが、私の場合ついつい譜例とか挙げようとしてやたらと時間がかかるので、時間的・気分的にある程度の余裕がないと、なかなか音楽関係の書き込みができない、というか踏ん切りがつかないのですね。

 そんなある日、今度あるオケで演奏する予定のモーツァルトのピアノ協奏曲ハ短調(第24番)のメロディーを口笛で吹きながら風呂につかっていたら、耳元に“声”が聞こえてきました。「ねぇ、お前、今度僕のピアノ協奏曲やるのかい?」
 僕の?僕のって、お前はまさか・・・と思っていると、その“声”は「さっき口笛吹いてたけど、あれじゃダメだよ」と言うのです。「ダメ?うーん、そりゃあ口笛だから、音程とかまずいかも知れないけどさ」「そうじゃない、あれはもっと痛切な音楽なんだよ。さっきみたいにダラダラやったんじゃ台無しだ」私は思わず苦笑しました。「そうか、そりゃ悪かった。いや、オケでやるときはもちろんもっとちゃんとやるよ」「そうかなあ、お前のさっきの吹きようじゃちょっと心配だがなあ。まず最初の跳躍がダメだしな」「最初の跳躍?」

最初の跳躍<曲の冒頭の木管パート。ここではファゴットに問題の跳躍が出てくる。>

「そうだ。お前はさっきやけに短くそっけなく吹いてたね」「たしか点だか縦線だかが付いてたから」「なるほど。ところでお前は、作曲者がある音符を選んで、点なり線なり何かの印をつけるのはなぜだか考えてみたことがあるかい?それはその音符が他とは違う、何か特別な音符だからなんだ」「うん、そりゃそうだろうけど、他と違うってことなら、さっきみたいに短くするのもアリじゃん?」「レガートとスタッカートの対比の面白さを狙ってるような場合はそれでもいいさ。だがね、この曲のここの場合はただ対比すればいいんじゃない。この上行の跳躍には意味があるんだ。この後何回もしつこく出てくるだろう?」「確かにこの動機の形だけじゃなく、断片的な形でも出てくるね。これは何なの?」

跳躍が連続する<先ほどのファゴットのパートをもっと先まで見てみると・・・>

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| オーケストラ活動と音楽のこと | 21:13 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
リバウンド?
 先日「経理部長の愚痴 〜ワタクシ篇〜」で「自分に限っては(消費の)激しいリバウンドはないかも知れない」などと書いておりましたが、滞っていた未払給与その他が先月半ばにようやく支払われて、ワタクシ的経済危機を脱してみると、いやぁ人間なんてお金があれば使っちゃうもんですて・・・。

人生即交響楽(外装) 滞納していたローンや税金の支払は当然のことですが、それらに加えてやっちゃいましたよ自分へのご褒美(笑)。以前から気になっていた山本直純(やまもと・なおずみ)さんのCD選集「人生即交響楽」です。豪華カートンボックスにCD8枚とA4判全152ページの解説書がセットされて税込16,800円!1万円超の買い物なんて何年ぶりか(涙)。

<写真は「人生即交響楽」の外観。タテ31cm×ヨコ22cm×厚さ8.5cm、重さ1.8kgの堂々たるもの。>

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