春という字は三人の日
春ラ!ラ!ラ このブログに「冬の音楽」というのをアップしたのは2007年11月8日のこと。その最後に「せっかくですから、立春の頃には続編「春の音楽」もやりましょうか。忘れなければ、ですが。」なんて書いておきながら、結局やりませんでした。実は忘れたわけではなく、原稿も途中まで書いたんですが、候補曲がブルックナーの交響曲第3番の第二楽章、ブラームスの交響曲第1番のやはり第二楽章、別宮貞雄(べっく・さだお)の「さくら横ちょう」くらいしか思い浮かばず、あまりぱっとしないので知らんぷりしてた、というのが真相(汗)。まあクラシックに限っても春の曲は既にいっぱいあるんで、今さらいいか、という気もしたし。

 ところで、最近たまたま石野真子の「春ラ!ラ!ラ!」を聞きました。石野真子さんは実は私と同じ年の同じ月生まれなので、今年は私と同い年の年女なわけで、えーと36歳ね(鯖)。

<写真はEPシングルのジャケット。「春ラ!ラ!ラ!」がA面曲なんだが、配色の関係でタイトルがよく見えない・・・>

 ご存知の方はご存知のとおり、この歌の歌詞はけっこうとんでもなくて、「春という字は三人の日と書きます」と始まるのはいいとして、その三人が突然あなた(=今のカレ)と私(=真子ちゃん)と真子ちゃんの元カレの三人のことになり、しかも真子ちゃんは一方的に「あなたも(元カレと)話が合うでしょう」と決めつけたあげく、「三人そろって春ラ!ラ!ラ!」なんて歌っちゃう。それって今のカレにしてみりゃえらく迷惑な話じゃないかい?さすが芦屋の社長令嬢、わしらシモジモの者どもとは感覚が違うの〜。

 しかしこの歌、2番までは脳天気ですが、3番でちょっとトーンが変わる。「いつか会いたい人がいる 二度と会えない人もいる」とちょっと翳りのあるフレーズで始まり「時が流れてゆく前に 三人そろって春ラ!ラ!ラ!」で終わるこの3番は、春に愁い行く春を惜しむ、古くから和歌や漢詩や俳句に詠まれてきたような伝統的な美意識を下敷きにしてるんじゃないか?アイドルにイミシンな歌詞の歌を歌わせるのは常套手段としても、春愁・惜春や無常感まで織り込まれているとしたら、こりゃなかなか奥が深い。

 もっともこの歌の「イミシン」を素直に読み解くと、けっきょく真子ちゃんはやっぱり元カレとヨリを戻したい、でも今のカレも嫌いじゃないの、だからみんなで仲良くしよ!、ということかと思われ、すると春愁惜春無常感云々はただの妄想、考えすぎ?ポイントは「時が流れてゆく前に」をどう読むか、かな。

 「春の音楽」は歌モノでいこうかなぁ・・・(独り言)
| オーケストラ活動と音楽のこと | 15:12 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
脳内誤変換
 トシのせいか、どうも言葉の聞き違いが増えている気がします。たとえば、今年はタミフルが効かないインフルエンザが流行しているというニュースで紹介された「リレンザ」を「リベンジ」と聞き違えるなどで、この手のものは枚挙に暇がありません。
 そこでどのように聞き違えるのか注意してみると、リレンザとリベンジのように、音的によく似た別の語に間違える「脳内タイポ(typo:タイプミス)」(仮称)と、音はちゃんと聞き取っているのにアタマの中で「誤変換」して意味を取り違える「脳内誤変換」(仮称)の、少なくとも2種類のエラーが発生していることがわかってきました。

 この「脳内誤変換」の中には、ときどき思わず笑っちゃうようなものがあります。私の場合しばしば起きる誤変換は「汚職事件」→「お食事券」。おそらく以前ファミレスの本部で「株主優待お食事券」の作成と発送に携わっていたせいでしょう、「おしょくじけん」という音の連なりが私のアタマの中では即座に「お食事券」と変換され、その結果汚職事件の社会性は一気に失われ、タダなら何食うかという個人的な問題に矮小化してしまう。先日は西松建設関連のニュースで「国際的な汚職事件に発展・・・」というフレーズを聞いて「なるほど世界中で使える万国共通お食事券(*)か、こりゃ商売になるかもなぁ」と、一味違った国際的視野に立ってしまいました。
花粉の悲惨
 「花粉の飛散」→「花粉の悲惨」も最近の脳内誤変換。間違いは間違いですが、これはけっこう多くの人々に共感していただけるのではないかと。花粉症、悲惨ですよねぇ、春、憂鬱ですよねぇ、「今年の花粉の飛散状況は・・・」というアナウンサーの声が、いやでも「今年の花粉の悲惨(な)状況は・・・」に聞こえますよねぇ・・・私も、患者です。

(*)日本国内なら全国共通お食事券「ジェフグルメカード」というものがあります。贈り物にいかが?(詳細はこちら)
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| ことばのこと | 00:21 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
今はまっている音楽:武満徹の「うた」
武満徹 ソングス 正月明けにたまたま武満徹の「うた」を聞いて以来、すっかりはまっています。以前は東京混声合唱団が歌った合唱曲集のLP(CDではなく)をよく聞いていましたが、引越しを機会に重くて場所をとるLPをまとめて処分して以来、武満さんの「うた」にはご無沙汰していました。
 それから10年以上も経った今年の1月5日、NHK水戸のローカルTV番組で生中継された水戸芸術館のニューイヤーコンサート「歌の翼に」で、武満さんの「うた」を本当に久しぶりに聞きました。林美智子さんの歌唱もしなやかですばらしく、同じ武満作品でも合唱用編曲とはまた違った「うた」の楽しさ・美しさに気づかされました。
 武満さんの「うた」はいろいろな機会にいろいろな用途で書かれたもので(だから一緒くたに「歌曲」とは呼べない)、ピアノ伴奏まで自身で書いたものは2曲しか残っていないのだそうです。林さんもピアノや弦楽四重奏などいろいろな伴奏で歌っていました。しかし旋律も歌詞も飾りのない素朴なものが多いので、できるだけシンプルな伴奏で聞いてみたいと思って探し当てたCDがこちらです。
<『武満徹 ソングス』 カメラータ・トウキョウ CMCD-28165>

 ソプラノの腰越満美(こしごえ・まみ)さんとテノールの羽山晃生(はやま・こうせい)さんの歌、山田武彦(やまだ・たけひこ)さんのピアノ(曲によってピアニカ、トイピラノ、サヌカイトも用いられている)の3人による演奏。山梨市牧丘町の山梨花かげホールで2008年6月に録音された新しいCDで、歌もピアノ(ベーゼンドルファー)もとても美しい。こういうシンプルなアレンジ、純度の高い演奏ですと、旋律と歌詞に集中して向き合うことになり、逃げ場がなくてつらくなる瞬間すらありますが、日常の瑣事を忘れて歌の世界に浸りきる幸せは他に代え難いものです。

 ひさしぶりに武満さんの「うた」を思い出させてくれた林美智子さんもアルバムを出しているし、武満さんのお気に入りの歌手だったという石川セリさんのアルバムもぜひ聞きたい、それに合唱版も改めて聞いてみたいけれど、今はあまりガツガツせず気長に構えて、まずこのCDを聞き込んでいこう。

 昨年ソプラノの亀田さん、ピアノの門脇さんと組んで何回か演奏会をやりましたが、もし今年もお声がかかるようなら、ぜひ武満さんの「うた」を何曲か入れたいです!
 「小さな部屋で」「小さな空」「翼」「○と△の歌」「うたうだけ」あたりならどれもいけそう。ちょっと不思議でなぜかしみじみ悲しくなる「見えないこども」も場合によってはいいか。「死んだ男の残したものは」はわかりやすい歌だけに、今どきはかえって素直にきいてもらうのが難しいかもしれない・・・等々と考えては一人悦に入っています。
| オーケストラ活動と音楽のこと | 23:20 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
川の立体交差(新潟市西区)
 このお正月は、例によって新潟市西区、JR越後線の内野駅近くの家内の実家で過ごしました。新潟の冬というと暗くて吹雪で日本海の波だっぱ〜ん!というイメージですが、内野とその周辺は日本海にごく近く、せいぜい1〜2kmで浜に出てしまうため雪はあまり降りませんし、岩場でなく砂浜なので波だっぱ〜んも、ちょっと・・・。もっとも浜は北西に面してもろに季節風を受けるため、天気が荒れれば港の突堤の波だっぱ〜んは期待できそうですが、なぜか私が行くときは天気がそこそこ穏やかで、今年のお正月もけっこう晴れ間が出たりしてました。
 天気が穏やかで酒も海の幸も文句なしに美味いときちゃ、もう言うことなし♪というわけで、三が日は毎日朝からお昼過ぎまで駅伝三昧で過ごしてしまい、正月太りが少々気になったので、この機会に内野にある「川の立体交差」を見に行ってきました。

 「川の立体交差」というのは、文字通り川が別の川の上を横切って流れているもので、自然にはまず起こらないだろうと思います。ここの立体交差も人工的なものですが、もちろん伊達や酔狂でやってるわけではなく、歴史的な背景があるのが面白いところ。まずは現況を見ていただきましょう。
説明板写真
<立体交差のたもとにある案内板の解説写真。新川の右岸からの絵。二つの川の位置関係と流れる方向がわかる。>全景
<案内板の写真の対岸、新川の左岸から全景を見る。新川は向かって右から左へ、西川は手前から向こうへ流れている。>
西川水道橋 ご覧のとおり、大きな川(新川)を別の川(西川)が鉄道の鉄橋のような形の小ぶりのトラス橋(西川水路橋)でまたいで流れています。新川の方は流れがわからないくらいゆったりと流れていたのに対して、上をまたぐ西川はかなり速い流れです。
<再び新川の右岸から。>

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| 地域とくらし、旅 | 23:38 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark |
中国(上海)の領収書

  経理ネタ第2弾です(第1弾はこちら)。海外出張から帰ってきた社員が精算書を回してくると、当然その国の領収書が付いてきます。領収書なんて基本的には支払内容と金額が書いてあるだけのものなので、海外の領収書だからといって日本のものと大きな違いはありません。ことに今では世界中でレジが普及していますから、そうなると使用言語と通貨記号(円とかドルとかユーロとか)が違うくらいで、お国ぶりも何もありません。ひょっとすると近所のお店にあるのと同じメーカーの同じ機種を、言語と通貨の設定だけ変えて使ってたりして。あ、税率もか。

 ところが中国はちょっと事情が違います。当社の社員は上海出張でよくバスを利用するのですが、このバスの領収書がなかなか強烈。まずはとにかくその姿をご覧ください。上海のバス領収書

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| 暮らしの中から | 10:10 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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