J. シュトラウスのワルツ「酒・女・歌」の序奏
 この現世の歓楽を数え上げたような曲名のこのワルツを、ある演奏会で指揮することになりました。曲名はちょっとアレながら曲自体は未成年が聞いても特に問題なさそうですが、実はそれとは別の問題があって、それはこの曲についている長い序奏。あまりにも長いのでほとんどすっぽりカットしてしまっている録音もあるくらいのものですが、指揮する以上は「や〜長いですね」で済ませるわけにもいかず、何とか解釈しなければなりません。これだけ長い序奏だと、何のイメージもなくその都度「あ速さ変わった」「あ拍子変わった」と譜面を音にしてるだけではわけもわからずお経を唱えているようなもので、どうにもなりませんから(たとえ短くてもどうにもなりませんけど)。

 そこで私は、序奏の前半のゆっくりした3拍子(すみません、6/8拍子でした・・・9/22追記)の部分は前夜の舞踏会の回想(さぞ楽しいことがあったのでしょうね・・・)、後半の4拍子になってからは鼻歌でも歌いながら身支度を整えるうちにだんだん気分も乗ってきて、さあ今日も元気にくり出すぞぉー!というわけで舞踏会、すなわち本来のワルツに続く、という流れでこの長い序奏を作ろうと思います。実際にシュトラウスがそういうつもりで書いたかどうかはわかりませんが、音楽の流れとしては自然じゃないでしょうか。うん、だんだんとそういうつもりで書いたに違いないと思えてきたぞ(笑)。
 そういえばオケのメンバーからは「こんな長い序奏の間、踊り手たちは何してればいいんだろね?」という疑問も出ていましたが、私の案なら序奏全体が一応ストーリーになってますから、音楽に合わせて道化師のパントマイムでもやってもらえば、踊り手さんたちには一息入れていただけるし、舞踏会の余興としても受けそうだし、一挙両得じゃないかと。
 私たちの演奏ではもちろん踊り手さんとかパントマイムは入りませんが、序奏の解釈はひとつこの線でいってみることにしよう。
| オーケストラ活動と音楽のこと | 22:12 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
最近行った演奏会:東京二期会オペラ劇場「エフゲニー・オネーギン」
エフゲニー・オネーギン
 9月13日(土)の午後、家内に誘われて東京二期会オペラ劇場「エフゲニー・オネーギン」を見に行きました。外国の事情は知らず日本でオペラを見るというとけっこうお金がかかるので敬遠気味なのですが(ケチ)、この公演はとても面白かった。

東京二期会オペラ劇場 チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」
日時:2008年9月13日(土) 14:00開演
場所:東京文化会館
指揮:アレクサンドル・アニシモフ
演出:ペーター・コンヴィチュニー
配役:与那城敬(オネーギン)
   大隈智佳子(タチアーナ)
   大槻孝志(レンスキー)
   橘今日子(オルガ) 他
管弦楽:東京交響楽団
合唱:二期会合唱団

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| オーケストラ活動と音楽のこと | 23:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
自分が出た演奏会:アンサンブル・ゴンベェ第1回定期演奏会
ゴンベェ チラシ
 アップが遅れましたが、8月最終日の日曜日(8月31日)の夜、弦楽合奏のコンサート&ワインパーティーという至福の催しがあり、コントラバスで参加しました。私は楽器の都合上車で行ったのでワインがお預けだったのは残念でしたが・・・

 アンサンブル・ゴンベェはヴァイオリニストの佐藤京子さんが主宰し、親しい音楽仲間が集まってできた弦楽アンサンブル。ゴンベェは佐藤さんの飼い猫の名前でもあり、できたばかりで名前もまだない、名無しのゴンベェのアンサンブルという意味でもあります。完成度を競うよりも「一生懸命練習しましたので、どうか皆さんも楽しみながら聞いてください」という雰囲気の団体であり演奏会であったと思いました。
 ちなみに、先日アップした「ヴィヴァルディの作品3-11の第三楽章で」で触れた演奏会がこれです。


弦楽合奏の調べと葡萄酒の宴〜アンサンブル・ゴンベェ第1回定期演奏会
日時:2008年8月31日(日) 18:00開演
場所:アコスタディオ(JR原宿駅近く)
曲目:2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲ニ短調 Op.3-11(ヴィヴァルディ)
   シンプル・シンフォニー(ブリテン)
   弦楽合奏のためのセレナーデ(ドヴォルザーク)
   アンコールとして
   歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲(マスカーニ)*弦楽合奏用編曲
指揮:佐藤迪

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| 自分が出演した演奏会 | 07:17 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
東金(とうがね)の市街と駅の関係−補足(空中写真)
 直前に投稿した「東金(とうがね)の市街と駅の関係」に書いた東金市街地の拡張のようすについて補足いたします。
 今回使用した迅速測図のような旧版地形図と並んで地域の変遷のようすを知ることのできる資料として昔の空中写真があり、ありがたいことにこれもオンラインで見ることができます。国土地理院の「国土変遷アーカイブ空中写真閲覧システム」というサービスがそれです。
 システムに入って「→空中写真を見る」をクリックして見たい地域の写真を選択します。昔の写真といっても戦後すぐの米軍撮影のもの以前には遡れませんが、東金市街の変遷のようすを見る場合にはじゅうぶん役立ちます。
 千葉県東金市・撮影日不問で検索すると東金市全体の中から見たい地域を選ぶ画面が出ますので、その画面の「東金市」という字のまっすぐ下の●をクリックすると、ちょうど東金駅と周辺市街に当たります。たぶん最初に昭和45(1970)年撮影のものが100dpiで表示されますので、あとは200dpiに拡大してじっくり眺めたり、「近隣空中写真」をあれこれつついて、時空を超えた空の旅をお楽しみください。
 このシステムを使うと、
昭和27(1952)年の米軍撮影の写真では、東金線の南東側には東金市役所の前身の東金町役場の建物だけが水田の中にぽつりと孤立している。
昭和40(1965)年の写真では、東金線と市役所の間の区画は個人の住宅や個人商店らしい小さな建物で埋められてきているが、市役所より南東側にはほとんど進出していない。
昭和45(1970)年の写真では、国道126号線のバイパス(おそらく未供用)が姿を現し、市役所の南東側の区画には比較的地割の大きい店舗や集合住宅と思われる建物が進出を始めている。
といった変化が読み取れます。
 このシステムは全国をカバーしているので、皆様お住まいの地域の写真もお楽しみいただけます。意外と意外な発見があるかもしれませんよ〜。

 ちなみに「近隣空中写真」の「USA-M209-154、南西1.4km, 18年前」(昭和27(1952)年の米軍撮影のもの)を200dpi表示にして右上隅に近い東金駅付近を見ると、九十九里鉄道の鉄道線路が東金駅から右方向へきれいなカーブを描いて出ていたことがわかります。13年後の昭和40(1965)年の写真ではこのカーブは既に建物や水田に埋もれて不分明になっており、もちろん現在では完全に市街化され痕跡がまったく残っていないので、この写真は(少なくともそのスジのテツには)たいへん貴重です。
| 地域とくらし、旅 | 07:33 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
東金(とうがね)の市街と駅の関係
 2008年8月28日の九十九里行きの途中に訪れた東金(とうがね)について書きます。
 JR東金線の東金駅は不思議な駅です。東金市街に背を向けているのです。東金線はほぼ南西から北東へ、上が北の地形図で言うと左下から右上へ斜めに走っていて、市役所や図書館、大型ショッピングセンター「サンピア」を含む東金の中心市街地は駅の南東(地形図では右下)側に展開しています。ところが東金駅の出入口はそれとは反対の北西(地形図では左上)側にしかなく、東金駅で下りて中心市街地へ行こうとすると、跨線橋で線路を越えなければなりません。駅の南東側には大きなロータリー広場まであるにもかかわらず、必ず階段を上って跨線橋を渡らないと、駅と中心市街地を行き来することはできないのです。何より不便だし、市に一つしかない鉄道の駅が市役所に背を向けて作られているとはまったく不思議。なぜこんな作りになっているのでしょうか。

 まずは現在の東金市の概念図をご覧ください。
サンピア地図
<東金駅のすぐ南東にあるショッピングセンター「サンピア」の案内図が東金市街とその周辺をうまくまとめているので、同店のHPから拝借しました。方位としてはこの図の上が北西、下が南東。サンピアのすぐ上(北西)に東金駅。駅の上側を東金線と並行して国道126号線の旧道(旧126号線)が走ります。後述しますが昔からの東金町はこの旧126号線沿いに発達してきました。
 一方サンピアのすぐ右(北東)のブロックには市役所や公民館、そして表示されていませんが市立図書館があります。このあたりから下(南東)を走る国道126号線沿線にかけての一帯が現在の東金市の中心市街地といってよいでしょう。>

東金駅<こちらはGoogle Mapの東金駅。サンピアの案内図ではサンピアの前の通りから駅へそのまま入れるように見えますが、実際はそうではありません。ピンクで表されている駅舎はご覧のとおり線路の北西側にしかなく、南東側の駅前広場からは跨線橋を昇り降りしなければ駅への出入ができないのです。
 また線路の両側をつなぐ大きい跨線橋の内側にさらに小さい跨線橋が見えますが、これは駅舎のある1番ホームから対向する2番ホームへ渡るためのもの。本数は少ないが2番ホームの発着もあり、サンピアでお買い物をして2番ホームから出る電車に乗ろうとすると跨線橋の昇り降りが2回必要。荷物を抱えて同じ線路を2回跨がなければならないのだ(疲)。>

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| 地域とくらし、旅 | 22:22 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
夏の終わりの九十九里浜
かもめが翔んだ日EPジャケット 高校生だったある日のこと、学校をサボって一人で海を見に行きました。ちょうど渡辺真知子サンの「かもめが翔んだ日」が流行っていたなぁ・・・ということは高校三年生か。何か特に理由があったわけではなく、いつもの駅からふと反対方向の電車に乗って、しばらくしてから「じゃ、海でも見てくるかぁ」と決めて、東海道線で神奈川県の真鶴(まなづる)まで行きました。その頃はまだビール工場が稼動していた恵比寿に住んでいたので、東海道線にすぐ乗れたのです。暇にまかせてただぶらぶら歩いて帰ってきて、翌日からはまた何事もなく学校に行きました。
 先日ふとそのことを思い出して、「うーん、海でも見てくるかぁ」という気分になりましたが、真鶴はつくばからでは結構遠いし、懐も寂しい折から、ここはひとつ割引きっぷで行ける海にしよう。できれば東京湾じゃなくて外海がいいなぁ・・・


 というわけで、8月28日の木曜日、遅めの夏休みも兼ねて割引きっぷで行ける外海を見に、九十九里町を訪ねました。JR東日本の「ホリデーパス」は一日に限りフリーエリア内の普通列車が何回でも乗り降り自由。しかしこのフリーエリア内で外海というと、三浦半島から茅ヶ崎・平塚へかけての相模湾か、東金(とうがね)線が面している九十九里浜のどちらかしかなさそうなので、それならまだ行ったことがない上に、大網〜成東(なるとう)間を走る東金線の全線乗車もできる九十九里浜で決まりです(今ではそれほどガツガツしてませんが、私、実は小学生の頃からのテツ(鉄道ファン)です)。
 さてJRの荒川沖駅を振り出しに、いよいよ外海一人旅の始まり始まりぃ〜。
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| 地域とくらし、旅 | 00:08 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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