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オリンパスの損失隠しに思う
 オリンパス株式会社といえば、私どもカメラファンにとっては「ペン」や「OMシリーズ」などエポックメーキングな名機を生み出してきた会社ですが、1990年代に発生した1000億円超とも言われる巨額の投資損失を隠していたことを11月8日に発表し、オリンパスという一企業のみならず日本の株式市場の信用性が問われる事態になっています。東証一部上場の大企業であるオリンパスが長年にわたって市場の大原則にそむき続けていたことは勿論許されることではなく、上場廃止や株主代表訴訟、金融商品法違反による告訴など、同社の前途は厳しいものになることでしょう。また同社の株主や取引先、社員、製品のユーザーなど、多方面に影響が及ぶことでしょう。

 私はオリンパス製品のユーザーでもなく同社との関わりはありませんが、かつて公開会社の経理・総務部門で仕事をしたことのある身として、この事件がどう決着するのかという点に興味を持って見ています。
 しかしそれにつけても思うのは、巨額損失とその先送りという事実の隠蔽に関わった人たちのエネルギーが、この長い隠蔽期間中にどれほどムダになったことかと惜しまずにはいられません。というのは、こうした組織の不祥事には、それを計画し実行を決め積極的に関与した、いわば確信犯の下に、組織の中での役割上否応なしに不祥事に関わらざるを得ず、いわば無理やり巻き込まれた人たちがいたのではないかと思うからです。
 たとえば経理や企画や総務・法務といった部門に属する人たちの中には、上からの指示命令に従って、ファンドに巨額の資金を送金したり、表には出せない契約書の文案を作ったり、会計基準に合わない決算書を組んだりした人たち、意味がよくわからないままにか、あるいは感づいていて心ならずもか、とにかく自らの意思ではなく「手を汚した」人たちがいたはずです。そうした無理やり巻き込まれた人たちが、自分のしたことに後ろめたさを覚えたまま、あるいは自分は道に外れたことをしてしまったのではないかと自らを疑いながら、この長い隠蔽期間を過ごしてきたとしたら、その間に失われた、あるいは後ろ向きに空費されたエネルギーの総和はどれほどのものでしょうか。企業の経理・総務の経験者としては、数は多くないかも知れないがそういう人たちがいたであろうことも考えずにはいられません。
 そしてもしそのような立場にあって、当事者であるが故に自分もこの犯罪の加担者、加害者であろうかと思い悩んできた人がいるとしたら、私はそうは思わない、あなたはむしろ被害者だと伝えたい。そしてその悪事が露見した今、もう後ろ向きの思いは必要ないのだから、これから先自分は何をするか、どう生きるかということを考えていってほしいと思います。
| その他のできごとあれこれ | 19:17 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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