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自分が出た演奏会「東京プロムナード・フィルハーモニカー第5回定期演奏会」
 今から振り返れば今年の暑い夏の最終日だった敬老の日の9月19日、東京プロムナード・フィルハーモニカーの第5回定期演奏会が行われ、参加しました。今回の演奏会の目玉は日本を代表するカスタネット奏者である真貝裕司氏のソロによる今井重幸氏のカスタネット小協奏曲「ファンダンゴスに基づく協奏的変容 Metamórfosi Concertante sullo Fadangos」の世界初演。カスタネットの協奏曲とは私も初耳初体験で、演奏する立場としても興味津々。

TPPプログラム東京プロムナードフィルハーモニカー 第5回定期演奏会
日時:2011年9月19日(月・祝) 14:00開演
場所:杉並公会堂 大ホール(東京都杉並区)
曲目:ハイドンの主題による変奏曲(ブラームス)
   カスタネット小協奏曲「ファンダンゴスに基づく協奏的変容」(今井重幸)
   交響曲第3番(ブラームス)
    アンコール曲
   ワルツ「南国のバラ」(J.シュトラウスII世)
   ラデツキー行進曲(J.シュトラウスI世)
独奏:真貝裕司(カスタネット)
指揮:佐藤 迪

大ホールステージ 「ハイドンの主題による変奏曲」は1995年に学園都市オーケストラさんのトラ(だと思う、この時期は)で演奏したのが最初でした。今回は練習に出られた回数は少なかったのですが、2回目でもあるしあれから16年の間にオケの経験を積んだこともあってか、「あれ、こんなに短い曲だったかな」と思いながら比較的楽に弾けました。

大ホール客席 今回が世界初演となった今井重幸氏のカスタネット小協奏曲は Introduzióne と Metamórfosi di Fandangos の二つの部分からできていますが、この二つの部分は切れ目なく続けて演奏されるので、実質的には序奏(Introduzióne)−速い−ゆっくり−速い−コーダ(以上4部分が Metamórfosi di Fandangos)という五部構成の単一楽章の曲となっています。また二回目の「速い」は一回目の「速い」の多少短縮された再現で、序奏とコーダはそれぞれ独自の動機によっています。
 全体の主調はイ短調で、Introduzióne だけはやや晦渋な表情ですが、Metamórfosi di Fandangos に入ってからはいかにもファンダンゴらしい親しみやすく情熱的な旋律を中心に進み、演奏時間は約13分。楽しい曲でした。真貝氏のカスタネットは実に見事で、しかし思わず引き込まれて出のきっかけを失いそうになるので聞き入るわけにもいかず、客席で全てを忘れてのめり込めるお客様がうらやましかった!演奏終了とともに拍手と歓声が巻き起こり、初演は大成功でした。
 ちなみにこの曲の譜面には a maéstro Yuhji shingai と書かれていて、真貝氏のために作曲されたものであることを示しています。

 ブラームスの3番はこれまでに数回演奏していて、特に佐藤迪さんとは今回が3回目かと思います。この曲はブラームス50歳のときの作品で、私も今年ちょうど50歳。そんなわけで今回の演奏は感慨深いものがありました。そう思ってみると、50歳の男の音楽としてこれほど昇華された音楽はないんじゃないかと思うくらい共感できるのですよこの曲には。もちろん学生がやっても誰がやってもいい音楽には違いありませんけどね、50になってみてやっと共感できるものがあるような気がする、そう思い込める曲なのです。
 アンコールのうちラデツキー行進曲には途中から真貝氏もカスタネットで飛び入りで加わってくださり、盛り上がって終わることができました。

カスタネット販売<受付では真貝氏によるカスタネット入門や演奏のDVDとともにカスタネットも販売されていました。真貝氏のあの演奏を聞いたら自分でもやりたくなりますよカスタネット。左手前は消音パッド。カスタネットのお値段は子供用3,000円、大人用3,500円くらいでした。>

協会認定<「カスタネット3,500円!?、それって高くない?」などと思ってはいませんか?カスタネットはカスタネットでも昔使った赤青カスタネットとはモノが違うんです。なんたって日本カスタネット協会認定ですからね。
ところで真貝氏が本番で使ったカスタネットは、実は練習中に一部が欠けてしまったものでした。欠けてしまっても他の楽器では同じ音が出ない、何となく違って聞こえるので、ということで、敢えて練習からずっと使い込んできた楽器を使うことにしたそうです。真貝氏の演奏にかけた熱意と迫力は、この分厚く堅い楽器を打ち割るほどだったのです。すごい!>


 
| 自分が出演した演奏会 | 19:36 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
ブラ3と聞いて、またしても卒倒しそうになりました!ほとんど、泣きそうです!ひとつには、自分には決してめぐって来ないであろう(再び楽器を手にしないかぎり)機会、「彼」(この方もおうし座ですのよ。おほほ。って、どんな意味があるんだか。。。)の憂鬱、彼の苦悩、彼の昇華、彼の訴え。そりゃぁ、胸ぐらつかんでこっちへきて話してちょーだい!といわんばかりになりますわ(う〜。シャードネが回ってきたかも。。。)。やっぱり、「この方」以外にありえない(何が?本格的な酔っぱらい)。。。
ところで。今朝ABCClassicでMSO(Melbourne Symphony Orchestra)によるベト7が流れていました。なーんだか、弦楽器の薄いこと!こんなんだったっけな、とかなりがっくり。数年前まで会員でしたが、あまりに遠いCityのため、このところいいものがあるときだけ行くようにしているのだけれど。。。
カスタネット。本格的なものは違いますね。一度鳴らしてみたいです。どんな音がするのかな。ところで。ほーほトラベルソジャーニーはいかがですか?
| とらのすけ | 2011/09/25 8:51 PM |
ブラームスの3番といえば、1961年(おや、私と同い年だわ・・・)の米仏合作映画「さよならをもう一度」(原作はサガンの「ブラームスはお好き」)にも使われた第三楽章が何と言ってもたまりませんが、雄渾な第一楽章、古い聖歌のような素朴な旋律とともに徘徊するが如き第二楽章、決起と闘争が最後に大きな平安に包み込まれる第四楽章、いずれも心にずきずきこたえます。音楽に全身ずぶずぶにのめり込んでのた打ち回りそうになる寸前で踏みとどまる快感といったらありません。ぜひとらのすけさんも楽器を手に地元のアマチュアオーケストラにお入りなさいませ。
Melbourne Symphony Orchestra は未聴ですが、どこかで聞いたことがあると思ったら、岩城宏之さんの本に出てきてたのでした。岩城さんがチーフ・コンダクターを勤めていたのですね。しかも現在のPrincipal Guest Conductor はN響正指揮者の尾高忠明さん。日本に縁のあるオケなのですね。最近のベートーヴェンの演奏は古楽派の影響もあり、概ね弦は以前より薄めでトゥッティでも木管の動きがよくわかるものが多いのではないでしょうか。「英雄」「運命」などはそれでも音楽が力ずくなところがあってまだ「おぉ!」という感じがしますが、7番って意外ときっちり綺麗に書いてあるので、すっきりくっきり低カロリーさが目立ってしまうのではないかと。想像ですが。
カスタネットは原材料が天然の木材ですから一つ一つ高さや鳴り方が微妙に違いますが、概ね非常に硬質でスカッとヌケのよい音がします。湿気が少ない音といいますか、日本らしくない音です。
トラベルソジャーニーの方はですね、あいかわらずアンブシャーを決めかねています。タンギングやダブルタンギングが現在のと違うはずなので、今クヴァンツ先生のご本を読んでいます。この本に書かれている18世紀当時の奏法を最もうまく簡単に実現できるアンブシャーを見つけ出したいと思っていますが、いつになることやら。
それに今読んでるクヴァンツ先生のご本「フルート奏法試論」(昭和51年 シンフォニア)は国立音大のフルートの先生と東大ドイツ文学科卒業の都立大の先生(いずれも翻訳当時)が共訳されてますが、昔のドイツ語の翻訳によくある典型的な悪訳で、やたらもってまわって日本語として読みにくく、時には主語が一つの文の中でいつのまにか入れ替わってしまったりしていて、いっそ英訳の方がよみやすいんじゃないかと思われるレベルです。時間かかります。
| ほーほ | 2011/09/26 11:49 PM |
ふふふ〜!そうでありましょう。ブラさんってすんでのところで引き際を知る温かい紳士なんですわよ(会ったことないけど。機会がありながら墓すら、行ったことないということに気づいた。ファンがこんなんでいいんだろうか。)。田舎もん(かどうか確かにはわからないけど)のベトさんとは違いますわ。最近の奏法傾向というのもあるのですねぇ。まったく。。。知っているようでまったく何も知らないとらでございます。それに。。。

MSO専属のホールはIwaki Hallと名前がついています。しょっちゅう、「アイワキホールから中継云々」というのを聞くたび、これは、きっと日本語のイワキに違いない、と思いつつも、それが岩城宏之さんを指していると知ったのはつい最近です(汗。。。)

悪訳。これにまさる悪はないかと思うぐらいへったくそなひとが多いですよね。しかも、その道の権威とかとなると、もう、どこから手を着けていいかわからないような「日本語」書いてる人多いですもんね。翻訳後で読み直してるんかいね、と思います。トラベルソチャレンジ、楽しみにしていますよ〜。逐次ご報告くださいね。
| とらのすけ | 2011/09/27 5:39 PM |
ABC Classic FM は TuneIn Radio というアプリを使って日本でもPCやスマホで聞ける(私はもっぱらスマホで聞いてます)ので、先ほどマイプリセットに登録しました。独特の訛りのある英語・・・いやいや、われらの米語の方が訛っておるのか(私の英語はもっぱらシリコンバレー仕込み)・・・のアナウンスが味わい深いです。いずれメルボルン響のアイワキホールからの演奏も聞けることでしょう。今はウィリアム・バードやトマス・ルイス・デ・ヴィクトリアの合唱曲など流れております。

悪訳はですね、たぶん配下の院生にでも丸投げしているのだと思います。その後で先生がちゃんと原文と対照しながら目を通す(○)か、訳文だけをささっと見る(△)か、ほとんどやらせっぱなし(×)かによって出来上がりに違いが出るのではないでしょうか。しかもクヴァンツ様のご本は日本語版より英語版の方がはるかに安いのです。何をか言わんや。
| ほーほ | 2011/09/28 7:18 PM |
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