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ちあきなおみ「喝采」に感動

 ラジオを聴きながら車で通勤しているとときどき思いがけない曲がかかることがあって、感動したり発見があったりしてます。以前書いた「オバQ音頭」もそういう中のひとつでしたが、きのう(8月23日)の朝の一曲はちあきなおみの「喝采」でした。

 この曲は1972年のレコード大賞受賞曲ですから、その前後には私もけっこう聞いていたはずで、曲も覚えています。しかし1972年というと当時の私は御年11歳。一見地味な曲だし小学生が聞いてわかる内容の歌でもないので、正直なところその時は「なんか悲しい歌らしい」くらいにしか思いませんでした。

 数十年ぶりに聞きましたが、これ、すばらしい歌ですね。さすがは(昔の)レコ大曲!
 まず歌詞がすばらしい。言葉がよく選ばれているためにひとつひとつのエピソードの情景が鮮やかで、「ひなびた町の昼下がり」のぽかんと空虚なうら寂しさもいいし、話し相手のない暗い待合室のBGMに自分が歌う恋の歌がかかっているという設定には凄味すら感じます。そして冒頭の「いつものように幕が開き」の情景を「幕が開く」と一字違えて再現し、「それでも」「今日も」恋の歌をうたっている「わたし」のたまらない寂しさ虚しさを際立たせるうまさ。ちょっと大伯皇女(おおくのひめみこ)の「見すべき君がありと言はなくに」の歌(万葉集第二巻 166番歌)を思い起こさせますね。

 もちろん曲もすばらしい。全体はA(いつものように幕が開き…)-B(あれは三年前…)-A(ひなびた町の昼下がり…)のシンプルな三部形式ですが、最初のAと2回目のAはメロディーは同じでもコード進行が微妙に違うようです。仮に曲をC majorとすると、最初のAの「(黒い縁取りが)ありました」はおそらくF -(F minor?)- Cという進行、2回目のAの「(祈る言葉さえ)失くしてた」はF - G7 - Cという進行だったと思います。最初はIV-Iというややダイナミックなカデンツ、2回目はIV-V7-Iという安定したカデンツで、この安定感が「ああ、終わっちゃった」という一種の安堵感とわずかなぬくもりと、静かな虚しさを感じさせます。うまいなあ。それと2回目のAの「ひなびた町の昼下がり」(1番)「いつものように幕が開く」(2番)と歌われた直後に fp で弦のトレモロが入る、これがずきっと胸にこたえます。もうたまりませんね。

 歌がすばらしいのは今さら言うまでもないので、言いません。38年ぶりに再会した「喝采」に感動しました。

| 聞いて何か感じた曲、CD等 | 21:51 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
こんにちは。
ちあきなおみ「喝采」いい曲ですね!
ちなみに私は、ちあきなおみさんが歌う「黄昏のビギン」も好きですが・・・。

オバQ音頭は近所の盆踊りでよくかかっています。
歌詞をよく聞いたことはないので、今度よく聞いてみます。

ちなみに、オバQのアニメの最後の曲はご存知ですか?

確か山本直純さんの作曲だったと思います。
♪あのねQ太郎はねー なにもできないけれど 消えちゃうんだよー きゅっきゅきゅっきゅきゅQ太郎はねー。

(((--ヾ 仕事をしない某課長を皮肉って歌っていたら、先輩が真似してうわごとのように歌っていて、困りました・・・。なはは。((((_ _;
| がっちょーん | 2010/09/05 9:03 AM |
いや〜、その消えちゃう歌はちょっと記憶にありません。が、仕事をしない某課長様には誠に似つかわしい曲かと思います。「なにもできないけれど 消えちゃう」ね、うーむなかなか。

山本直純さんの資料を調べてみたら、「新オバケのQ太郎」(1971)の音楽は手がけてらしたらしいので、そっちの曲でしょうか。「新〜」は見てなかったんですよ…ちょっと対象年齢オーバーでしたね、確か。
| ほーほ | 2010/09/06 8:54 PM |
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