さて、今年に入ってからコンビニのドーナツにはまっております。コンビニ各社それぞれにいろいろな種類のドーナツを売っていますが、私がはまっているのは「オールドファッションドーナツ」という、基本的には粉と砂糖、牛乳、卵の練り粉(ドウ:dough)をリング状にして油で揚げた後、リングの半分にチョコレートをかけたもので、ふわふわももちもちもせずやや固くて重い食感の、その名のとおり昔の手作り風のドーナツです。価格はコンビニによって税込100円(本体93円)だったり税込108円(本体100円)だったりします。
私は幼少の頃、おそらくは母の嫁入り道具であったと思われる1950年代の家庭料理書を耽読していましたが、その料理書によるとリング状のドーナツを作るには、練り粉を絞り袋に入れて台紙の上にリング上に絞り、それを台紙ごと揚げるのだそうで、揚がったドーナツは自然に台紙から外れるのだとか。この技法が発見される前のドーナツは、おそらく練り粉をスプーンですくって油の中に投入してじっくり揚げた、もったりとした垢抜けない食べ物だったのでしょう。最初にこの技法を考えてドーナツをリング状にした人は偉かったね!
さて、私がこのオールドファッションドーナツにはまった今年の3月の段階では、コンビニ大手ではローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスの各社がこのタイプのドーナツを商っており、セブンイレブンでは取り扱っていませんでした(少なくとも私の主な立ち回り先であるつくば市・土浦市・阿見町ではそうでした)。
ところでこの3社のドーナツはそれぞれプライベートブランドとして販売されていますが、実は外見も味もほぼ同じで、袋から出したら最後、ほぼ見分けがつきません。そこで製造者を確認してみると、何とこれらは全て日本を代表する大手パンメーカーの山崎製パンの製品だったのです。そりゃ外見も味も似るわけだ。
<写真は今年3月に近所のコンビニで販売されていたコンビニ各社のオールドファッションドーナツ。上段左がファミマ、上段右がローソン、下段がサンクスの商品。なお後述のとおり現在はこれらの形態では販売されていません。>
チェーンストアのブライベートブランドの商品は、基本的にチェーンストア側で仕様書を書いてメーカーに製造を委託するわけですが、このドーナツの場合は山崎側がイニシアティブを取ったのだろうか、とにかく酷似しております、お互いに。もっともこの点に関してはドーナツ大手のミスタードーナツの商品を先行形態としてフォローしているのではないかという指摘もあるのですが、私はこれまで54年余の生涯で2回(3回かも?)しかミスドに行ったことがないので、今回はミスド商品は比較対象外とさせていただきます。
もっともお互いに酷似しているとはいえ、そこはプライベートブランドで、細か〜く見ると実は全く同じではないのです。今年の3月時点での各社の製品の仕様は次のとおりでした。
ローソン「オールドファッションドーナツ(チョコ)」:税込100円 392Kcal
ファミリーマート「オールドファッションドーナツ(チョコ)」:税込108円 495Kcal
サークルKサンクス「オールドファッションドーナツ(ミルクチョコ)」:税込108円 492Kcal
ふぅむ、税込8円の価格差が熱量の違いとなって表れておりますね。確かに唯一税込100円のローソンの商品は若干小ぶりな感じです。しかも同じ税込108円の製品でもファミマのとサンクスのとはこれまたカロリーが微妙に違っているという・・・脂肪は1gで9Kcalなので、ファミマとサンクスのカロリー差3Kcalって、たとえば揚げ油の切れ具合とかチョココーティングの滴が垂れるか垂れないか程度のことで簡単にバラつくであろう、いわば誤差の範囲ではないかとも思うのですが、そこはお互い譲れないのかな?(笑) 製造を請け負う山崎側にしても、100円用ラインと108円用ラインの2本で済むのと、392Kcal用ライン・492Kcal用ライン・495Kcal用ラインの3本必要なのとでは、設備投資額も減価償却額もものすごく違ってくるんですけど・・・。
しかも後述するとおりこの3社のドーナツは後日包装や販売形態がそれぞれ変更されるのですが、その際にファミマの商品は何と袋に表示されている熱量が495Kcalから494Kcalに変わっているではありませんか!「なんじゃこりゃー!」ですよ。1Kcalってどないのもんやねん!(爆)
<右写真はファミマの袋裏面の新旧比較。上段が旧(今年3月時点)、下段が新(今年8月時点)。赤丸で囲ったとおりカロリーが1Kcal下がっています。よく見ると他の数値も微妙に異なっており、原材料の配合を見なおしたっぽい感じ。なるほど、たとえ数Kcalの違いでも各社ごとに譲れないわけだ。>