最近読んだ本:『魚博士が教える魚のおいしさの秘密―食べどきはいつか、なぜか?』(坂口守彦・村田道代・望月聡・横山芳博 1999 はまの出版)
 先日ひさしぶりに八重洲ブックセンターに行ったら、8階にアウトレット本のコーナーがありました。アウトレット本とは出版元が定価(再版価格)を解除した本で、古書とは違って新刊書(ちょっと前の、ですが)です。どうせたいした本はないんだろうと高を括って、それでも掘り出し物はないかと見てみると、以前本ブログで取り上げた『増補 江戸前鮨仕入覚え書き』(長山一夫 2004 アシェット婦人画報社)の続編『續 江戸前鮨仕入覚え書き』(長山一夫 2011 ハースト婦人画報社…あれ、アシェットさんは?)が定価2000円+税のところ900円+税で出ていてさっそく購入。
 この『續 江戸前鮨仕入覚え書き』もいずれ読んだらこちらで紹介しますが、こんなに内容が濃くて良い本もアウトレット本になっているのなら…とさらに探していくと、同じお魚本ながらぐっと読みやすそうな本書を発見。こちらも定価1500円+税のところ500円+税というお買い得お値段になっていたのでこれまたお買い上げ。八重洲ブックセンターのアウトレット本コーナーは今後も注目ですよ。
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| 食に関する本 | 19:55 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
食に関する本:「子どもの味覚を育てる ピュイゼ・メソッドのすべて」
子どもの味覚を育てる この本、今から4年ほど前の記事の終わりの方に参考図書として一度紹介してますが、そのときは未読でした。それから4年経って読了しましたが、勿論4年もかけないと読めない難しい本ではなく、その間ずっと積ん読になっていただけです(笑)。

 本書はジャック・ピュイゼ氏が12年間の試行錯誤を重ねて開発した、1時間半の授業10回で構成される「味覚の目覚め」の授業(対象としては小学校5年生前後を想定)を中心に書かれています。
 ところで本書を読み始めてすぐに「あ、そう言えば」と目からうろこが落ちるのは、「味覚」とはただ単に舌の表面の味蕾(みらい)で感受される感覚だけを指すのではなく、眼(視覚)耳(聴覚)鼻(嗅覚)舌(狭義の味覚)身(触角)で感じられる五感すべてが複合した感覚であるということです。そのことは10回コースの各回のタイトルにも表れています。

第1回 五感について
第2回 味覚と4つの基本味
第3回 一食のメニューを構築する
第4回 嗅覚
第5回 視覚
第6回 触覚
第7回 味覚を妨害するもの
第8回 私たちの地方
第9回 まとめ
第10回 息抜き

 五感といいながら聴覚の回がありませんが、独立した回として立てられていないだけで、特に第7回「味覚を妨害するもの」で口の中でさまざまな種類の食べ物を噛むときの音の違い、耳をふさいだりイヤホンをつけて食べ物を噛んだ時の音の変化、騒音による味の感じ方の変化が簡単な実験付きで扱われています。
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| 食に関する本 | 19:12 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
食に関する本 その9:「ドイツ料理万歳!」(川口マーン恵美)

ドイツ料理万歳! 突然始まっていつの間にか途絶えてしまった「食に関する本」カテゴリーですが、どっこいまだ終わっちゃいない…というか、また本買っちゃって(笑)。

 子供のころから何となくドイツに親近感を覚えていたのに加えて、中学2年生で聞いたシューベルトの「冬の旅」でドイツ語の響きに魅せられてから、ますます私のドイツ好きに拍車がかかりました。もっともそれは「冬の旅」という作品そのものの魅力に加えて、そのとき聞いたフィッシャー=ディースカウの歌唱が、manche Stunde entfernt (何時間もかかるほど遠く隔たった:「冬の旅」第5曲「菩提樹」より) な東洋の片隅の日本国の中坊の心を揺さぶるくらいすごかったせいなのですが、しかしもしその後万葉集とか折口信夫に巡り合わなかったら、私はドイツ文学方面に進んでいたことでしょう。そんなわけで、評判になった林望の『イギリスはおいしい』は「うそだぁ」とか言って未だに読んでいないのに、こちらは書店で見かけるなり早速買ってしまいました。『ドイツ料理万歳!』(川口マーン恵美 2009 平凡社新書)です・・・あれ、平凡社新書の表紙って前は赤白だったけど変わったのね。

 ところで、ドイツ料理といっても思い浮かぶのはジャガイモ、ソーセージ、骨付き肉を切り分けるアイスバインにザウアークラウトくらいで、一度だけドイツを訪れたときの経験でも何かがすごくおいしかったという印象がないので、最初はあまり期待しないでこの本を手に取ったのですが、まず冒頭の「まえがき」がとてもおもしろい。

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| 食に関する本 | 20:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
食に関する本 その8:「スローフードな人生! イタリアの食卓から始まる」(島村菜津)
スローフードな人生 4,5年前のある日のこと、JR田町駅の構内の出店で古書のワゴンをあさっていて見つけたのが『スローフードな人生!―イタリアの食卓から始まる』(島村菜津 平成12(2000)年 新潮社:2003年 新潮文庫)。スローフードという言葉には何となく聞き覚えがあったものの、その内容についてはほとんど知らなかったし、特別に興味があったわけでもありません。ただ単に食に関する本で安かったから買ったと言ってもいいのですが、見事にハマりました。

 本書は、中味はよくわからないけれど「スローフード運動」というものに興味を持った著者が、北イタリアの田舎町ブラにあるスローフード協会の本部を単身訪ねるところから始まります。ところがせっかく訪ねた本部は翌日のイベントの準備でごった返していて、とてもまとまった説明を受けられる状況ではなく、断片的な話は聞けたものの、それではどうもピンとこない。そこで著者は本部での出会いやその人脈をたどって、実際にいろいろな人たちと食事をともにしながら、スローフード運動について考えていきます。
 食事をともにする場面では各地のいろいろな料理やワイン、チーズなどが紹介され、もちろんそれぞれがおいしそうで、その場所を訪ねたりイベントに参加したくなりますが、それにもまして印象に残るのは、人と人が食事をともにして同じ時間を過ごすこと、一緒に食卓について同じものを食べ、飲み、語り合うことの楽しさ、おもしろさ、意味深さ。「スローフードとは何ぞや」みたいな正面切ったリクツっぽい話は最初に少しだけ、その代わり要点を突いたものがあるだけで、あとはスローフード運動のさまざまな側面が、それに携わる人々の話や姿を通して展開されていきますが、これがとにかくおもしろい。私がこのシリーズの原稿を書くときには、本は一度読んだ内容を思い出したり確認したりするために数箇所パラパラめくってみるだけなのがふつうですが、この本は一度読んでいるにもかかわらず読み始めたらおもしろくて、けっきょく最初から最後までしっかり読み通してしまいました。最後に読んでからけっこう時間がたっていたせいもありますけど(笑)。
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| 食に関する本 | 20:35 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
食に関する本 その7:「変わる家庭 変わる食卓―真実に破壊されるマーケティング常識」(岩村暢子)

変わる家族 変わる食卓世の中には読みたくないけど読まなきゃならない本というのもありまして(汗)、私にとっては今回紹介する『変わる家族 変わる食卓―真実に破壊されるマーケティング常識』(岩村暢子 2003 勁草書房)がまさにそれ。食文化じゃなくて食物そのものだけに興味があるのならこんな本読まなくていいわけだけど、やはり私は「人はなぜそれをそうやって食べるのか」に興味があるし、確定した歴史的事実だけを問題にするのなら平和だけれども、今を生きる役に立たない歴史なんて意味がない、というか、歴史を今を生きるための役に立てられないのはただのアナクロ、怠け者の感傷趣味だと思っているから、やっぱり現代の食生活の一断面を示すものとして本書を読まないわけにはいきません。

 私が本書を読みたくなかったのには、わけがあります。まず本書のサブタイトル―真実に破壊されるマーケティング常識―に注目していただきたい。本書はもともと食生活そのものを主題にした本ではなく、広告・企画制作会社の株式会社アサツー ディ・ケイが1998年から5年間にわたって実施した「食DRIVE」という一般家庭の食卓調査の結果をまとめたもので、本来はマーケティングの本なのです。ではなぜそうした調査を行い、なぜこの形、このタイミングで出版したか。それについては、三井物産戦略研究所の機関誌「The World Compass」2003年10月号の岩村氏へのインタビュー記事「食卓が語る日本の現在」がとてもわかりやすいので、目を通されることをお勧めしたいのですが、要するに同調査スタートのきっかけは「1960年生まれを境に従来のマーケティング手法やその結果が通用しなくなっている」という認識にあったのですね。ところが「1960年生まれ」って、実はモロに私なんだよねぇ(正確には1961年1月生まれだが、同級生は1960年生まれ)…自分が槍玉に上がってる本って、そりゃあやっぱり読みたくねぇべ(苦笑)。

 というわけで、本書の場合「食」は「1960年生まれの断層」を示すひとつの指標だったわけですが、そのデータ(定性調査なので数字ではなく個々のケースの記述)の内容が「断層」以前の方々にとってあまりにショッキングだったために、「そんなバカな!ケシカラン!」という感情的な戸惑いや反発はもちろん、そのようなデータの分析結果の有効性への疑問・批判もけっこうあったようです。内容の一部の要約はこちらにありますが、本書にはもっと生々しいデータが写真つきで続々紹介されてるぞ。

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| 食に関する本 | 21:38 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
食に関する本 その6: "The Great Hot Sauce Book" (Jennifer Trainer Thompson)
 以前外資系に勤めていた頃、カリフォルニア州ミルピタスに何回か出張してわかったのは、あちらの人は辛いもの好きだということ。ショッピングセンター Valley Fair にはニンニクとトウガラシ製品の専門店らしき店があったし、スーパーに行けばトウガラシの辛いソースが何種類も置いてあり、タバスコとせいぜいハラペーニョの緑色のやつがあるくらいの日本のスーパーとは大違いです。私もあちらのベトナム料理店で使われていた Huy Fong Sriracha Hot Chili Sauce というのが気に入って、しかし当時日本では見たことがなかったので、自分用に買いました。辛いソースもタバスコだけじゃなくていろいろな種類があるのだな、と実感。

 というわけで今回の本は"The Great Hot Sauce Book" (Jennifer Trainer Thompson著 2004 Ten Speed Press)。英語の本ですが主役は300種以上のソースの写真で、その横に材料やメーカーの説明、エピソードなどが書かれています。トイレでぱらぱらめくって見るのにいいかな〜と思って買ったのですが(なんて失礼な奴・・・)、これが意外におもしろかった。

※ちなみに中味の一部がこちらで見られます。

 <著者が本書執筆の3年前に作った「ホットソースポスター」の一部が表紙になってます。著者のパントリーの棚を写したものだそうです。>
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| 食に関する本 | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
食に関する本 その5:「増補 江戸前鮨仕入覚え書き」(長山一夫)
増補江戸前鮨仕入覚え書き ちょっと間が空きましたが、このシリーズまだ生きてます。もうしばらく続く予定です。

 先日紹介した『豆腐百珍』について、ある方から「美味しんぼ」にも出ていたという情報をいただきました。ありがとうございます。私は「美味しんぼ」全然読んでないのですが、取材も相当しっかりされているようですね。
 取材のしっかりした食の本ということで思い出したのが、今回紹介する『増補 江戸前鮨 仕入覚え書き』(長山一夫 2004 アシェット婦人画報社)です。私は江戸前鮨はド素人ですが、この本の情報は質・量ともにすごいと思いました。

 一言で言うと、40年以上の経験を持つすし職人が、仕入と調理の経験に食材産地での現地調査の情報を加えて書いた鮨の本、ということになりますが、旬のネタ紹介+グルメリポートみたいな気楽なものを想像すると全然違います。
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| 食に関する本 | 21:09 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
食に関する本 その4:「食品の研究 アメリカのスーパーマーケット」(ヴィンス・ステートン)
 食品の研究
 以前にも書きましたが、私は食品スーパーが大好き。そこで今回は食品スーパーとその商品に関する肩のこらない本をご紹介、といっても、ここに出てくるのはアメリカのスーパーです。でもアメリカはスーパーを含むチェーンストアの本場だし、アメリカのスーパーは日本のスーパーとは違ったエキサイティングな面白さがあって、のぞいてみると楽しいよ。

 『食品の研究―アメリカのスーパーマーケット』(ヴィンス・ステートン著 北濃秋子(きたの・あきこ)訳 1995 晶文社)の内容は、「訳者あとがき」に次のように紹介されています。「ケンタッキー州に住む平均的中流家庭――夫婦と子ども二人、乗用車二台、一週間の食料品購入費約100ドル――のあるじ、ヴィンス・ステートンがある金曜日の夕方、妻と一緒にスーパーに出かけ、青果売り場から精肉売り場まで店内の通路をめぐり歩きながらこのショッピングの一部始終を語る、というのが本書の構成である。」目次を見ますと、まず最初に祖母の代から現在(原書の出版は1993年)までアメリカの食料品店とその商品がどう変わってきたかの概観があり(「序――食物と私」)、次にスーパーマーケットという業態の誕生から現在までを簡単に振り返り(「スーパーマーケットの誕生」)、ステートン家を例にとりながら平均的なアメリカ人の食品購入パターンやスーパーマーケットの店内のようすが描かれ(「ショッピングへ出発」)、そしていよいよ「第1通路 青果」から「後部通路 精肉」まで順に通路を回りながらのショッピング、最後はもちろん「レジ」で終わります。
 ショッピングは通路ごとに、まずその通路で扱われている商品全般に関する説明があり、続いて著者(の奥様)がショッピングカートに入れた各アイテム、たとえば「レッド・デリシャス・リンゴ、5ポンド袋―3.98ドル」に関する話題が紹介されるのですが、本書の魅力はなんといってもスーパーマーケットとその商品に関する圧倒的な量の事実の羅列。品質や添加物、加工方法など食品そのものに関することはもちろん、生産から流通、販売、消費に至るまで、実に幅広く数多くの情報が提供されます。たとえば「レッド・デリシャス・リンゴ、5ポンド袋―3.98ドル」については24字×94行、2000字以上を割いて、レッド・デリシャスという品種の特徴、アメリカの教師たちが好むリンゴのランキング、レッド・デリシャスの生産と流通、販売等に関するあれこれが書かれていて、私たちを即席のレッド・デリシャス通(つう)にしてくれるのです。
 構成がそんなふうですから、スーパーマーケットでショッピングするように、読みたい項目だけを選んでどこから読み始めてもどこで読み終えても全然構わないのですが、スーパーに行くとつい目移りして最初は買うつもりではなかった品物まで買ってしまうように、読み始めたらつい読みふけってしまうかも知れないので要注意!
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| 食に関する本 | 22:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
食に関する本 その3:「豆腐百珍」(とんぼの本)
 豆腐百珍
 ものごとを歴史的に通観しようとすると、古いことは書物や文書、絵画等の史料に頼らざるを得ません。食についても同じことで、日本の食をさかのぼってみようとすると、貝塚や住居址、花粉やプラントオパールなどの考古資料を除けば、古くは魏志倭人伝の記述に始まり「群書類従 飲食部」に収める諸文献から、絵巻物や絵草紙、旧家が持ち伝えた古文書などを経て、近世になると意識的に食材や料理そのものを扱う「料理書」と呼べるものが出現します。寛永20(1643)年刊の『料理物語』あたりがその嚆矢ですが、天明2(1782)年に出版された『豆腐百珍』は豆腐料理100種類のレシピ集で、『豆腐百珍続編』『豆腐百珍余録』、さらにこれに倣って甘藷、蒟蒻など食材ごとに「○○百珍」と題した、いわゆる「百珍もの」と呼ばれる料理書が次々に刊行されるきっかけとなりました。今回ご紹介する本の解説でも述べられているとおり、豆腐というごく平凡な食材を百通りに展開するという趣向が当時の人々に受けたのでしょう。日本の食文化史をたどる上で落とせない、エポックメーキングな料理本のひとつです。
 ちなみにその年には大バッハの末子ヨハン・クリスティアン・バッハが世を去り、ハイドン50歳、モーツァルト26歳、ベートーヴェンは12歳。フランス革命の火蓋を切ったバスティーユ襲撃はこの7年後の1789年のこと…ま、関係ないといえばないですけど。

 史料は史料として置いとく限りどこまでも史料ですが、『豆腐百珍』はレシピ集なので「これ実際に作ってみたらどうなんだろう」と思う人がいて当然。実際にいくつか試してみた人も多いと思いますが、今回紹介するのは「いくつか」なんてケチなことは言わず100種類全部を実際に作って写真撮って食べてみたという『豆腐百珍』(福田浩(料理・解説)、杉本伸子(作り方)、松藤庄平(撮影) 1998年 新潮社(とんぼの本))。まあ遅かれ早かれ誰かやるだろうとは思ってましたが…。

豆腐百珍新装版<上の写真は1998年の初版。昨年リニューアル版になってデザインが右の写真のように変わっています。>

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| 食に関する本 | 19:39 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
食に関する本 その2:「クックブックに見るアメリカ食の謎」(東理夫)
  1989年から12年間ほどカリフォルニアに親会社がある外資系企業Overlandで働いてました。いいこともよくないこともいろいろありましたが、アメリカの文物にじかに触れることができたのはよかったと、今でも思っています。もっとも私が直接知っているのは「9.11」以前の、しかもカリフォルニア北部サンフランシスコ周辺の狭い地域に過ぎませんが。

 アメリカに関して私が特に興味を抱いたもののひとつは西部への移住者たちが大陸を横断したトレイル(オレゴン・トレイル、カリフォルニア・トレイル等)で、もうひとつは食・・・まあ、食の方はアメリカに限らんが(笑)。トレイルの方は150年前の車の轍や道の跡が今日まで残っていることに感激して写真集まで買ったりして、いずれその一部なりとも実際に歩いてみたいと思ってます。
<カリフォルニア移民のトレイルの写真集「Overland」(Greg McGregor, 1996, University of New Mexico Press) 解説と写真が見開きに収められ、ところどころに移民の日記や墓碑銘も引用されており、感動。>

クックブックに見るアメリカ食 おっと肝心の「食」について書かなくちゃ。以前にもちょっと書きましたが、私がたびたび訪れていたのはカリフォルニア州のシリコンバレーと呼ばれる地区にあるミルピタスで、ここからサンフランシスコ、サンノゼ、また少し離れたナパバレーも訪ねました。カリフォルニアの料理というとカニかまとアボカドを裏巻き(海苔を内側に巻く)にしたカリフォルニアロールが有名ですが、みんながみんなあればかり食べているわけではもちろんなく(笑)、地元で豊富に採れる魚介や野菜の新鮮さを生かしたカリフォルニア・キュイジーヌ California cuisine あり、お隣のメキシコを始め移民たちが持ち込んだ各国の料理のレストランもあり、もちろんすしバーや日本料理の店もあり、ワインは本場だしビールはマイクロブルワリーでいろいろなタイプを飲み比べられるし、スーパーには見慣れない食材もいっぱい並んでいるし、要は「何でもアリフォルニア」。それほどお金をかけなくてもそこそこおいしいものを腹いっぱい飲み食いできて、欲しいものは何でも買えて、気候も穏やかで、まあなんていい所かと思いました。実際にはそういう生活スタイルは他の国や地域、また地球環境の犠牲の上に成り立っているわけですが、あれは確かに一種中毒的な魅力がありますね。京都議定書なんて参加しないわけだ・・・

 そんなわけで、アメリカの食についてもっと知ろう!と思って、集中的に本を買っていた時期がありました。そんな「アメリカ本」の中でまず紹介したいのが『クックブックに見るアメリカ食の謎』(東理夫(ひがし・みちお)著 2000年 東京創元社)。アメリカの食を紹介する本はたくさんありますが、「クックブックに見る」という目の付け所が面白い。さらに「あとがき」に「この本は、アメリカの食の時代的な変容と、その拡がりをとらえてみたいという試論のようなものだ。」と書かれているとおり、次のような章立てでアメリカの食生活史を概観できるようになっているのです。

第1章:アメリカ、食の原風景〜インディアン、ナニ磨く?
第2章:アメリカ料理の誕生〜殖民と移民の食
第3章:平原の食卓〜バックポーチ・シェフたちの系譜
第4章:庶民と大統領の食〜消えゆく食たち
第5章:変容するアメリカの食〜実験食学の試み

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| 食に関する本 | 22:26 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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